元F1ドライバーのマーク・ウエーバーは、フェラーリにおいてシャルル・ルクレールが今後数年のうちに、チームメイトであるセバスチャン・ベッテルと同じ道筋をたどる可能性があると指摘する。
ルクレールはF1で2年目となる2019年シーズンにフェラーリ加入を果たし、力量を発揮した。序盤からベッテルよりも優位に立ち、パワーユニット(PU/エンジン)の問題さえ発生しなければ、2戦目のバーレーンで勝利を手にしていたはずだった。
初優勝のスパに続き、モンツァも制して連勝したルクレールはチーム内での立場を強固なものにしていった。一方、4度の世界チャンピオンであるベッテルは低迷を続けている。フェラーリは彼との契約を更新しないことを決め、2021年の後任として、現在マクラーレンで急成長中を遂げているカルロス・サインツJr.との契約を発表した。
ルクレールは少なくとも2024年末までフェラーリに残る契約を結んでいる。しかし、『Channel 4』でコメンテーターを務めるウエーバーは、今後フェラーリが彼に対して約束した水準を満たせなければ、現在22歳のルクレールは意欲を失っていき、いずれベッテルと同様にチームを離れていくことになるかもしれないと考えている。
「シャルル・ルクレールからは目を離さない方がいい。私は彼と(フェラーリでの)今後数年に注目している」とウエーバー。
「今は両者のハネムーン期間と言えるが、僕たちが今後1年、あるいは3年ここに座っている間に、シャルル・ルクレールも(フェラーリに)うんざりしてきた、と言う日が来るかもしれない」
「フェラーリのために走るというのはとても大きなことだ。しかし(ベッテルの)次にそういう運命をたどるのは彼かもしれない」
フェラーリの2020年型マシンのパフォーマンスは低く、ルクレールの忍耐はすでに試されている。彼は、今は自分の力を発揮することへの制約を受けていることを理解しているものの、それでもこの試練の時期に最大限の力を出すと誓った。
「今年、僕はとても苦戦している。僕らチームは今年、悪戦苦闘しているんだ。でも、厳しい時期にこそ学べることは多いと思う」とルクレールは語った。
「前を向いて、モチベーションを絶やさないことは、現状最も難しいことだが、それができるかどうかは僕ら次第だ」
「正直に言えば、フェラーリで走ること自体が僕にとってのモチベーションだから、それが大変だとはあまり思っていない」
「僕はいつも、より良い戦いをするための、そして状況を変えていくためのモチベーションを持っている。チームとは長期間のパートナーシップを結んでいるし、これから現状を変えていくことに大きな期待を抱いているんだ」
「今のところ、それが楽なことではないことも分かっている。でも僕たちはトップに返り咲くために懸命に努力している」