2020年09月17日 19:22 弁護士ドットコム
テレビ東京HD(東京都港区)100%子会社の制作会社「テレビ東京制作」で、プロデューサーとして働いていた女性社員のAさんが、過重労働による精神障害で労災を認められた。
【関連記事:「歩行者は右側通行でしょ」老婆が激怒、そんな法律あった? 「路上のルール」を確認してみた】
Aさんの代理人弁護士が9月17日、明らかにした。48日連続勤務(2018年2月~3月)があったという。
また、未払い残業代や懲戒処分の無効を求めて同社を相手取り、提訴したという。Aさんは「今、テレビの現場やマスメディアで、同じ悩みで苦しんでいる人がいたら、一人ではないですよ、と言いたいです」とコメントしている。
Aさん側によると、Aさんは2006年に中途採用で正社員として入社してから、プロデューサーやディレクター業務に従事してきた。現在は、高視聴率番組の貼り紙作りなどの雑務を担当している。
情報開示資料を元にした三田労基署の認定事実は以下の通り。
Aさんは2017年10月、これまでの制作業務から、総務の仕事に配置転換を受けた。一方で、兼務の形で制作業務にも継続して従事していたため、業務量は増加し、2018年2月~3月にかけて、1カ月以上にわたる連続勤務があったという。
2018年3月から、めまいや不眠などの症状があらわれ、医療機関で「適応障害」と診断された。
2019年8月、三田労基署に療養給付の請求をおこない、2020年6月3日付で業務に起因する適応障害が認定された。
2019年2月、Aさんは過重労働について、会社に残業代請求をしたものの認められず、その直後に勤務態度に問題があるとされ、出勤停止や減給などの懲戒処分を受けたそうだ。
Aさんは2019年5月、会社を相手取り、懲戒処分の無効や未払い残業代を求めて東京地裁に提訴し、係争中だという。
テレビ東京制作は9月17日、テレビ東京HDを通じて、弁護士ドットコムニュース編集部にコメントした。
「先方の主張には疑問点もあり、かつ見解の相違も数多くあります。係争中の案件であるため、現時点ではこれ以上のお答えは差し控えさせていただきます。適切に対応してまいります」