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Perfume、Kis-My-Ft2……進化を遂げたダンストラック 新譜5作よりピックアップ

2020年09月15日 12:02  リアルサウンド

リアルサウンド

Perfume『Time Warp』(初回限定盤)

 デビュー15周年、結成20周年を迎えたPerfumeのニューシングル『Time Warp』、Kis-My-Ft2がハイブリッドなダンスチューンに挑戦した「ENDLESS SUMMER」など、キャリアを重ね、さらなる進化を遂げたダンストラックの新作をピックアップ。ダンスミュージックとポップスの魅力を兼ね備えた楽曲を楽しんでほしい。


(関連:Perfume 「Time Warp」MV


●Perfume『Time Warp』
 デビュー15周年、結成20周年のアニバーサリーを締めくくるプロジェクト『Perfume 15th&20th anniv with you all』の第2弾としてリリースされる、約2年半ぶりのニューシングル。表題曲「Time Warp」の基調になっているのは、80’sのテクノポップを想起させるトラック。“タイムワープ”をモチーフにしながら、“限られた人生、瞬間瞬間を大切に生きたい”というメッセージを響かせるダンスチューンだ。最新鋭のエレクトロを取り入れながら、新しい日本のポップスを創出してきたPerfumeのバック・トゥ・ベーシック的な楽曲と言えるだろう。これまでの軌跡とこの先の未来を描き出す3人のボーカルも強く心に残る。カップリングには、メジャデビュー以降の全MVを使用したMVも話題を集めた「再生」(東宝映画『屍人荘の殺人』主題歌)を収録。


●Kis-My-Ft2『ENDLESS SUMMER』
 キスマイの通算26作目のシングル『ENDLESS SUMMER』の表題曲は、トロピカルハウス経由のトラックメイク、トライバルな雰囲気のパーカッション、煌びやかなシンセなどが混ざり合うダンスチューン。曲中にドープなラップが挿入されるなど、幅広い要素が取り入れられたハイブリッドな楽曲に仕上がっている。享楽的な夏のムードと〈苦しみも悲しみさえも 僕らなら乗り越えていける〉というシリアスなメッセージの対比も印象的。ただ楽しいだけのパーティーソングではなく、きつい現実を越えることで得られる達成感を描いたこの曲からは、メンバーのほとんどが30代となり、少しずつ大人のエンターテインメントグループへと変化しつつあることも感じられる。


●A.B.C-Z『CONTINUE?』
 シングル曲「DAN DAN Dance!!」「チートタイム」を含む7thアルバム『CONTINUE?』は色とりどりの楽曲が楽しめる作品。軽快なギターカッティングとファンキーなグルーヴとともに“失敗したらちょっと休んで、またがんばりましょう!”とエールを送る「GAME OVER!!!」、緻密にしてアグレッシブなエレクトロナンバー「BAD GAME」などのダンストラックのほか、叙情的なピアノバラード「涙雨」、無観客ライブでも披露されたスカ・ビートの応援歌「さぁ生きまくれ! wonderful life!」など様々なジャンルのポップスが収められている。“1曲聴くごとにステージをクリア”というRPG仕様のコンセプトと構成を含め、アルバム全体をまんべんなく楽しめる工夫も。A.B.C-Zらしいエンタメ感に溢れた1枚だ。


●TWICE『#TWICE3』
 オリコン週間シングルチャートで1位を記録した最新シングル曲「FANFARE」を含むベストアルバム第3弾『#TWICE3』が到着。ノスタルジックな手触りの旋律と〈今年の一番は 出会った事〉という歌詞が切ない情感を呼び起こす「The Best Thing I Ever Did -Japanese ver.-」、EDM系トラックと生楽器の響きを活かしたアレンジが印象的な純度100%のラブソング「FANCY -Japanese ver.-」、トラップの進化型を示すビート、〈私 泥棒猫 君を/掴みに来たから 待っていてよ〉と欲望剥き出しのリリックが絡み合う「MORE & MORE -Japanese ver.-」などを収録。ダンスミュージックとしての高い機能、ラブソングを中心とした共感度の高い歌がバランスよく共存した本作は、TWICEの新たな進化を証明している。


●BENI『Y/our Song』
 「もう二度と…」(2008年)などのヒットで知られるBENI。デビュー15周年を記念したEP『Y/our Song』は、R&B系シンガーというイメージを更新し、幅広いジャンルの楽曲を通し、ボーカリストとしての豊かな表現力をアピールする作品に仕上がった。リード曲「だけど放て」は、川谷絵音が作詞・作曲を担当。レアグルーヴ直系のサウンド、心地よいグルーヴを含んだメロディ、楽曲が進むにつれて感情の濃度を高めるボーカルが一つになったこの曲は、リスナーの心と体を同時に揺らしてくれるはず。その他、BTS、三浦大知、SKY-HIなどの楽曲を手がけるSUNNY BOYプロデュースによる壮大なナンバー「Beautiful」、アコースティックな音像の美しくも切ないラブソング「L.I.F.E. -Love Is Forever Evolving-」などを収録。(森朋之)