今回の第9戦トスカーナGP決勝レースでは、セーフティカー明けの再スタートで多重クラッシュが発生した。レース後に行われたトップ3によるFIA会見では、リスタートについての見解を問われた。
再スタートの際の先頭を走行していたバルテリ・ボッタス(メルセデス)は次のように意見を述べた。
「再スタートの際、他車をオーバーテイクできるのは、コントロールラインを過ぎてからだ。つまり、それがレース再開の合図だ。それはここ数年変わっていない。今年変わったのは、セーフティカーの(再スタートを知らせる)ライトの消灯がとても遅くなったこと。ライトが消灯されたら、先頭を走行する者にペースを決める権利があり、僕はそれを最大限利用した。だから、僕は事故の責任が自分にあるとは思っていない」
「自分がいる場所によって見え方が違うから、いろいろな意見があるのだろうけど、僕はコントロールラインを過ぎるまで、一貫したスピードで走行していた。そして、コントロールラインを過ぎてから、レースを再開させた。後方でクラッシュした人はその前にレースをスタートさせたんだろう。だから、そのことについて愚痴を言っても意味がないと思う」
「ただ、今回なんでセーフティカーのライト消灯が遅かったのかは検証すべきかもしれない。それによって、ショーとしては盛り上がったかもしれないけど、前後の間隔が狭くなった」
再スタートの際、ボッタスの後ろで2番手を走行していたルイス・ハミルトン(メルセデス)の意見はこうだ。
「まず、最初に言っておきたいのは、事故が起きたのがバルテリのせいではないということだ。なぜなら、彼には再スタートの際、集団をコントロールする権利があるからだ。責任者がいるとすれば、それはこのルールを作った人だ。それが誰かはわからないけど」
「明らかに今日のライトの消灯は遅かった。それによって、集団のなかで再スタートに向けた駆け引きが激しくなった。このルールを作った人はエキサイティングなものにしようとしているんだろうけど、今日、僕たちは多くのドライバーが危険にさらされたのを見たはずだ。だから、再考する必要があると思う。今日はおそらく限界を少し超えていた」
そして、再スタート時に4番手を走行していたアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)は、以下のように述べた。
「ルイスとバルテリが言ったこととまったく同じ。セーフティカーのライトの消灯が遅かった時、誰もがバルテリができる限りスタートダッシュするのを遅らせることは予想できたと思う。もちろん、それは危険を伴う。だって、前後の間隔が縮まった状態で一気にスタートが切られるからね」
「だから、上位勢はみんな2列になって、バルテリがダッシュする瞬間を待っていたよ。確かにここは1コーナーまでが長いから、こういうことが起きやすいのかもしれないけど、もう少しうまくやれたような気もする」