トップへ

「僕たちがそばにいるよ」リサイクル場に遺棄された赤ちゃん 従業員がお揃いの制服を着たテディベアを贈る(英)

2020年09月12日 07:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

従業員たちと亡き赤ちゃんに贈られたテディベア(画像は『LADbible 2020年9月6日付「Workers Make Teddy Bear For Dead Baby Discovered At Recycling Centre」』のスクリーンショット)
生まれたばかりの新生児を守る術がこの母親には全くなかったのだろうか。このほどイギリスのリサイクル場で、生後間もない赤ちゃんが生み捨てられ死亡しているのが見つかった。発見した従業員たちは大きなショックを受けたという。『LADbible』『The Sun』などが伝えている。

8月20日、英ウェスト・ヨークシャー州ブラッドフォードのリサイクル場で生まれたばかりの赤ちゃんが捨てられ、亡くなっているのが従業員のライオネル・メアーズさん(Lionel Mairs、34)によって発見された。

従業員らによって「デイジー(Daisy)」と名付けられたこの赤ちゃんは、ピンクのビーチタオルに包まれているだけで何も身に着けておらず、ただ遺棄されていたという。

自分たちに何かできることはないかと考えた従業員らは、リサイクル場の制服を着せたオレンジのテディベアをデイジーちゃんと一緒に埋葬してあげることにした。

このテディベアは、ライオネルさんの妻ローラ・プラットさん(Laura Pratt、26)によるアイデアだった。赤ちゃんが生み捨てられているのを目の当たりにし、ショックを受ける従業員たちの慰めになればと用意したそうで、ローラさんはこのように話している。

「デイジーを発見したライオネルはかなり動揺していて、悲しみに打ちひしがれていました。それをこのテディベアが救ったんです。」

「デイジーはもともと何も手にする予定ではありませんでした。少なくともテディベアが彼女と一緒にいるということが、従業員たちにとっても慰めになると思いました。」

「彼ら従業員たちがいつもそばにいて、デイジーが1人きりになることがないようにと、テディベアは彼らと同じオレンジ色の制服を着ているんです。」

このテディベアは、テディベアやブランケットのような記念に残るアイテムを作る「3tothread」のオーナー、タラ・フィンレイさん(Tarah Finlay、29)によって作られた。タラさんは当初、このテディベアが亡くなった赤ちゃんに贈られるものだとは思わなかったという。

テディベア作成の依頼を受けたタラさんは、その心境をこう述べた。

「このテディベアはつらい体験をして心を痛めている従業員たちのためのものだと思っていました。」

「この(新生児遺棄の)ニュースを聞くのは母親として辛いです。母親が赤ちゃんを置き去りにするなんて信じられませんが、デイジーの母親はきっと大きな苦痛や精神的に参っていたに違いありません。」

「デイジーが埋葬されるときに1人きりでなく、このテディベアがそばにいられるのは良かったです。」

またローラさんは、死産した子供のために服を作っている女性にも連絡をとったそうで、おそらくデイジーちゃんのためのカーディガンとミトンも用意できるだろうと明かしている。

デイジーちゃんを遺棄した母親については今のところ特定しておらず、有力な情報も得られていない。

ブラッドフォードNHS財団信託教育病院の助産部長であるサラ・ホリンズさん(Sara Hollins)は、デイジーちゃんの母親の体調や福祉が大変気がかりだとして、母親に対して以下のように呼びかけた。

「警察とパートナー機関はこの1週間、赤ちゃんの母親探しに努めてきました。母親やその親戚が名乗り出てくれるように、今日新たに呼びかけたいと思います。」

「私たちは心から赤ちゃんを産んだ母親の福祉状況を心配しています。出産は非常に負担がかかりますし、合併症の可能性もあります。あなたが大丈夫であることを確認し、必要な支援を利用できるようにしたいのです。」

捜査にあたっているウェスト・ヨークシャー警察も母親のことが非常に気がかりだとし、本人や家族、友人など事情を知る人からの情報提供を求めている。

画像は『LADbible 2020年9月6日付「Workers Make Teddy Bear For Dead Baby Discovered At Recycling Centre」(Credit: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)