F1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、F1第8戦イタリアGPの驚きの結果が、将来的にリバースグリッドを検討する価値があることを証明していると述べている。
イタリアGPでは、メルセデスの2台がフロントロウを独占しており、なおかつレッドブル・ホンダが予選で低調だったことから、モンツァでの戦いは無敵のメルセデスにとって容易いものになるはずだった。
しかしながらメルセデスは、セーフティカー出動中にピットレーンがクローズされていたにもかかわらず、ルイス・ハミルトンのピットストップを行うという重大なミスを犯した。また、バルテリ・ボッタスは先頭集団でレースができない状況に陥った。そのためエキサイティングで新鮮な結果が生まれることになり、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが、マクラーレンのカルロス・サインツJr.に僅差で勝ち、初優勝をものにすることとなった。
ブラウンはこの予想外の結果から、将来試験的にリバースグリッドを導入することを支持しているが、混乱したレースやランダムな結果を生み出す仕掛けを用いる案は、必然的に多くのF1ファンをうんざりさせることになるだろう。
「モンツァは、今年我々がリバースグリッドによるスプリントレース形式のテストを検討していた時の候補地だった」とブラウンはレース後の記事に記した。
「残念ながらその案を進めることはできなかったが、このコンセプトについては、今も我々とFIAが今後数カ月をかけて取り組み、来年に向けてチームと話し合いをしたいと思っていることだ」
「昨日(日曜日)のレースでは集団による混戦がもたらす興奮が見られたと考えている。それに来年のマシンは今年と同じままであるから、ファンたちは今週末のモンツァと同様のドラマを見ることができるかもしれない」
「もちろん、リバースグリッドによるスプリントレースでは、チームはマシンに異なるセッティングを施すことになるだろう」
「今、メルセデスはファステストラップを記録し、レースを先頭でコントロールするようにマシンをセットアップしている」
「オーバーテイクをしなければならないと彼らが気づけば、アプローチを変えてくるだろう。ショーの改善を目指して、我々は新たな形式の評価を続けていくが、常にF1のDNAは維持していく」
モンツァでのガスリーの爽快な勝利が、F1に待望の新風をもたらしたと評価しているブラウンは、ガスリーの才能だけでなく、彼が過去1年間に見せてきた芯の強さも強調した。
「ピエールはレッドブルから、現在はアルファタウリとなったトロロッソに降格されて以来、大きな成長を遂げてきた。初優勝によって彼の回復する力が報われたのだ」
「彼はタフな性格だ。キャリアで後退した後の彼の立ち直り方は類まれなものだ。彼は自身を評価し、改善するために何をする必要があるかを考え、どのようにすればよいかを見いたしたのだ」
「彼は日曜日にミスを犯すことはなかった。カルロスが彼に迫り始めていたときもだ。マシンに集中し、完璧なドライブをしたのだ」