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電気代の計算方法とは - 電気代をお得にするポイントも解説

2020年09月07日 14:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
毎日の私たちの暮らしに電気は欠かせません。そうなると、気になるのが電気代。季節ごとの我が家のおおよその電気代は把握していても、具体的に電気代がどのように計算されているのかまでを理解している人となると、そんなに多くはないはずです。

本稿では電気代の計算方法をわかりやすく紹介します。ぜひとも節約や節電に役立ててみてください。

電気代の計算方法とは?
○電気代は基本料金+電力量料金の合計で求められる

電気代は基本料金と使った分だけかかる電力量料金の合計によって算出できます。そのため、電気代の計算は、契約している電力会社の基本料金を確認するところから始まります。基本料金の読み方については、後述しているためご確認ください。

次に、電気量料金の計算の方法を解説します。

1:電力量(Wh)を算出
消費電力(W)×時間(h)=電力量(Wh)

2:WhをkWhに換算
電力量はkWhで計算するため、WhをkWhに換算します。
Wh÷1,000=kWh

3:使用した電気量料金の算出
kWh×契約プランの1kWhあたりの電力量料金で、使用した電気量料金を算出します。
kWh×1kWhあたりの電力量料金=使用した電気量料金
○電気量料金の計算に必要な知識

家電にかかる電気量料金を知るためには、電気代の計算方法と、計算に必要な数字の求め方を知る必要があります。

家電の電気代を調べるときに使う単位には、「W(ワット)」や「kW(キロワット)」「Wh(ワットアワー)」 があります。

・W…電力家電の消費電力を示す単位
・kW…Wに1,000を掛けたものであり、1kWは1,000W
・Wh…1時間あたりに消費される電気の量

また、下記要領でも使用した電気量料金が計算できます。

消費電力がWで表示されている場合
W÷1,000×一日の使用時間(h)×1kWhあたりの電力量料金=使用した電気量料金

消費電力がWhで表示されている場合
Wh÷1,000×1kWhあたりの電力量料金=使用した電気量料金

消費電力がkWで表示されている場合
kW×一日の使用時間(h)×1kWhあたりの電力量料金=使用した電気量料金
○カレーライスを作るのにかかる電気量料金は?

例えば、カレーライスを調理する際にかかる電気代は、下記のように計算することができます。

1:ご飯を炊く(30分)
1kW×(30分÷60)×30円=15円

2:IHクッキングヒーターでカレーの具材を炒める(5分)
2kW×(5分÷60)×30円=5円

3:水を加え煮込む(20分)
3kW×(20分÷60)×30円=30円

4:カレールウを入れて煮込む(10分)
3kW×(10分÷60)×30円=15円

カレーライスを作るのに使った電気量料金の合計は、65円となります。
※わかりやすく、1kWhあたりの電力量料金を30円として計算しています。
家電ごとの電気料金。一番電気料金がかかるのはエアコン

電気料金は使った分だけ計上されるため、使えば使うほど電気代も高くなります。電気を使う家電には、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、パソコン、扇風機、電子レンジ、ドライヤーなど、さまざまな種類があります。それぞれどのくらい電気料金がかかるのか、目安を紹介します。

下記表は、家電を1時間使用した際の電気料金になります。

このように、消費電力が大きいほど電気料金は値上がりします。
電気代の明細書の読み方とプランの種類

電気代の明細書の項目には、さまざまな数字が記載されています。実際の料金体系は電力会社によって異なりますが、ここでは明細書の項目を例にとって、それぞれの金額がどのような意味を持っているのか解説します。

○基本料金

基本料金は、電気を使っても使わなくてもかかるお金を指します。ただし、電力会社によっては基本料金が0円のプランもあります。
○電力量料金 (第1段階料金、第2段階料金、第3段階料金)

電力量料金 は、電力使用量に応じてかかる電気代です。使用量が多くなればなるほど、電気代の単価が高くなります。
第1段階料金が最も安く、第2段階料金、第3段階料金と上がっていきます。
なお、段階別の料金を設定しておらず、一律料金の電力会社もあります。

主な電力会社の電気量料金の平均は約26円になります。

○燃料費調整額

燃料費調整額は、電力会社が予定していた燃料買いつけの価格と、実際の価格の差額を調整するためのものです。価格のずれを調整するためのものであるため、価格が想定よりも安ければマイナスになり、想定よりも高ければプラスされます。
○再生可能エネルギー発電促進賦課金

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、風力発電や水力発電、太陽光発電など、再生可能エネルギーを使った電気を買い取るためのお金です。再生可能エネルギーの普及を目的として、実際に使った電気量に応じて負担します。
○基本料金には従量電灯(アンペア制)と最低料金制がある

電力会社の提供する電気料金プランには、従量電灯と最低料金制があります。

一般的で、多くの方が契約しているのが従量電灯と呼ばれるプランです。従量電灯というのは、契約しているアンペア数によって基本料金が変わるプランになります。

一方で、最低料金制というのは、一定の電気の使用量分が既に含まれているプランです。また、電力会社の中には、基本料金制度そのものがないというプランもあります。
従量電灯制の主な電力会社

北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、九州電力
最低料金制の主な電力会社

関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力
基本料金がない主な電力会社

Looopでんき、親指でんき、あしたでんき、ソフトバンクでんき、楽天でんき
世帯別の電気代の平均と電気代を節約するコツ

ここからは、世帯ごとの平均的な電気代と具体的な電気代節約のためのポイントをご紹介します。

○世帯別に見た電気代の平均

2018年の総務省統計によると世帯別の電気代平均は下記になります。

2人~5人世帯の電気代平均額(2018年総務省統計)

2人以上の世帯では、年間で10万円以上のお金を電気代に充てていることがわかります。この金額をできるだけ低くするための生活上の節約の知恵をまとめました。
○今すぐできる電気代を節電するコツ
エアコン編

エアコンは消費電力が大きい家電の一つだけに、節約の効果も大きいです。以下の点に気をつけて使うようにしましょう。

・設定温度を上げ下げしすぎない
・サーキュレーターを併用する
・運転モードは「自動運転」にする
・室外機まわりをチェックする
・フィルター掃除を定期的にする
冷蔵庫編

冷蔵庫も年間での消費電力が大きい家電の一つです。冷蔵庫の電気代を節約するためには、以下のことに注意しましょう。

・扉は開けたらすぐ閉める
・無駄なものは入れない
・料理は冷ましてから入れる
洗濯機編

特に大家族の家庭では一日に何度もフル回転する洗濯機も、節約次第で大きく電気代を圧縮できます。洗濯機の電気代を節約するためには、以下のことに気をつけて使いましょう。

・洗剤は適量を守る
・まとめ洗いをして回数を減らす
・洗濯物を無理に詰め込まない
テレビ編

食卓の団らんに欠かせないテレビも、以下のことに気をつけて使うと節約につながります。

・主電源をこまめに切る
・画面の明るさを調整する
トイレ編

トイレも節電ができる家電の一つです。暖房便座のトイレを使用する場合は以下のことに気をつけて使いましょう。

・便座の温度設定を下げる
・トイレの蓋はいつも閉める
電気代自体をさらに安くする方法

電気代を節約する方法としてこれまでご紹介した方法も効果的です。しかし、電気代の節約方法はこれだけではありません。毎日の心がけだけではできない、根本的な節約方法をいくつかご紹介します。

○契約している電気プランを見直す

電気の基本料金は、契約アンペア数や契約会社によって決まります。同じ電力会社でも、契約アンペア数を下げればそれだけで基本料金を減らせます。ただし、契約アンペアを下げると一度に使える電力量が下がるため、ブレーカーが落ちやすくなります。家族構成に合わせてアンペア数を選択しましょう。
○電気代の支払い方法による割引制度を使う

電力会社によっては、口座振替割引などの割引制度を導入しているところもあります。その場合は、電気代の合計額から該当の金額が割り引かれます。支払い方法を見直すだけでも電気代の見直しができます。
○省エネ家電に切り替える

家電の消費電力は、商品によって異なります。買い替えを検討するときは、どのくらい電力を使うのかを意識して商品を選んでみてください。

古い家電は電力を多く使う傾向があります。特に、エアコンのような消費電力が多い家電は、古い物を長く使い続けるよりも、買い替えたほうが省エネ性能は上がり、節約につながります。
○電力会社を切り替える

電力自由化という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。電力会社を居住地域に縛られることなく自由に選べるという仕組みです。

基本料金に関して、基本料金が設定されていない電力会社もあるため、現状の電気代や電気使用量と相談をしてなるべく安く電気代が抑えられる電力会社と契約するのも効果的な手段です。
電気代を見直して節約につなげよう

毎日、何気なく使っている家電は、使えば使うほど電気代が高額になってしまうため、使い方に注意しましょう。家電の消費電力量を意識するとともに、普段の電気代の明細をあらためて見直してみてください。

電気代を計算する仕組みを知り、それぞれの家族構成や電気の使い方に合ったプランや電力会社を選択することが、電気代の節約につながります。(Emi.H)