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8年以上もチーズサンドしか食べられなかった10歳少年、催眠療法で食物恐怖症を克服(英)

2020年09月06日 21:12  Techinsight Japan

Techinsight Japan

チーズスプレッドを塗ったサンドイッチしか食べなかった少年(画像は『Mirror 2020年9月2日付「Hypnotherapy helps boy who would only eat cheese spread and would consume tub a day」(Image: Anita Maric / SWNS)』のスクリーンショット)
幼い頃に食物恐怖症と診断された男の子は、唯一口にすることができたチーズスプレッドを塗ったサンドイッチを8年以上も食べ続けた。何とかしようとした母親が催眠療法士に助けを求めると、男の子は恐怖症を克服して野菜などを食べられるようになったという。『The Sun』『Mirror』などが伝えている。

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英ウェスト・ミッドランズ州コヴェントリー在住のザッカリー・トゥイガー君(Zachary Twigger、10)は、幼少期に食物恐怖症と診断された。これは新奇性恐怖と呼ばれる新しい物、知らない物に恐怖を覚える症状で、ザッカリー君は食べ物に対して恐怖を覚えてしまったのだ。

ザッカリー君の母親ベッキーさん(Becky、38)は発症時のことを「今でもよく覚えています。ザッカリーが1歳半の時、初めて固形の物を食べさせようとしたら、飲み込むことができなかったんです」と明かしている。しかし奇妙なことに、ザッカリー君は市販のチーズスプレッド「Dairylea」は食べることができたという。

食物恐怖症と診断した医師は、ザッカリー君が幼かったこともあり「成長とともに食べ物に対する恐怖は消えていくだろう」と予想していた。しかしザッカリー君はその後もDairyleaを塗ったサンドイッチしか食べることができず、一日に1カップを平らげていたそうだ。


そんなザッカリー君について、ベッキーさんは「成長とともに他の食べ物を食べてみたいと言うようになりました。中華レストランに行った時、ザッカリーが食べてみたいというので挑戦してみましたが、結局口に含むことすらできませんでした」と振り返る。

かなり偏った食生活だったため、ザッカリー君は同年代に比べて体重が少なくBMI(ボディマス指数)も低かった。またこの食生活とは関係なく、ザッカリー君は1型糖尿病を発症していた。

ザッカリー君の健康を心配し、何とか他の物を食べさせたいと願っていたベッキーさんは、藁にもすがる思いで認知行動催眠療法士のデイビッド・キルマリーさん(David Kilmurry)に助けを求めた。デイビッドさんは、過去に催眠療法により摂食障害に苦しむ人々を助けてきたことで知られる。

デイビッドさんの催眠療法を2時間受けた直後、ザッカリー君は「なんでも食べられる気がする」と言って人生で初めてニンジンやブロッコリーなどを食べたのだ。ザッカリー君は「野菜を食べられるようになるなんて思いもしなかったよ」と治療の効果に驚いたという。


ザッカリー君は続けて「Dairyleaに飽きたことはないよ。吐き気を感じることなく食べられる唯一の食べ物だったし慣れちゃったんだ。クリスマスディナーは良い匂いだったし、どんな味なのか気になっていたけど、口に入れることすらできなかったんだ。これからは色々な物を食べるのが楽しみだよ」と話している。

画像は『Mirror 2020年9月2日付「Hypnotherapy helps boy who would only eat cheese spread and would consume tub a day」(Image: Anita Maric / SWNS)』『The Sun 2020年9月2日付「SCARYLEA Boy, 10, with bizarre life-threatening food phobia only ate Dairylea sandwiches for SEVEN YEARS」(Credit: SWNS:South West News Service)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)