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JR東日本、踏切制御など行う新システム導入 - GV-E400系で試験走行

2020年09月04日 05:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
JR東日本は3日、GNSS(全地球航法衛星システム)を用いて列車の位置を把握し、携帯無線通信網を活用した地上・車上間の情報伝送により、踏切制御や列車の速度制御を行う世界初のシステムの開発を進めており、ローカル線への導入・展開をめざすと発表した。踏切制御システムの試験走行を行うことも発表された。

現在の踏切は、列車の位置を検知する地上装置、情報伝送用のケーブルや異常を知らせる信号機など、多くの地上設備により構成されている。今回、試験を行うシステムの踏切制御機能は、GNSS(「Global Navigation Satellite System」の略)によって列車の位置を車上で把握し、列車と地上設備間の伝送装置に携帯無線通信網を活用するもので、最小限の地上設備での踏切制御を実現する。

期待される効果としては、無線伝送技術の活用により、踏切の異常時に列車に対して自動的にブレーキ制御を行うことが可能となり、踏切の安全性が大幅に向上する。通信に異常が発生した場合においても、列車を自動的にブレーキ制御するとともに、踏切での警報が行える。線路沿線の設備の削減により、設備の故障が大幅に減少し、輸送の安定性も向上。コストの面でも、線路沿線の設備の削減にともない、踏切制御に関わる初期投資やメンテナンス費用の20%程度削減をめざしている。

実用化に向け、2020年9月から2021年1月まで、八高線高麗川~高崎間にて電気式気動車GV-E400系を用いた踏切制御システムの試験走行を実施。無線伝送の安定性とGNSSによる位置測位の精度の確認を行うとともに、システム動作の安全性を検証する。その後、試験結果の評価を行い、2024年度の導入をめざす。なお、列車の速度制御機能については2021年度の試験を予定している。(木下健児)