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豪州SC第7戦:7冠王者が逆襲。レッドブルのウインカップが2戦連続ポール・トゥ・ウイン

2020年09月03日 11:01  AUTOSPORT web

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シリーズ7冠王者のジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/Triple Eight Race Engineering)が土曜レース1、続く日曜のレース2で2戦連続のポール・トゥ・ウイン
オセアニア地域を代表する世界的人気を誇るツーリングカー選手権、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第7戦タウンスヴィル・スーパースプリントが8月29~30日に開催され、シリーズ7冠王者のジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/トリプルエイト・レースエンジニアリング)が土曜レース1、続く日曜のレース2で2戦連続のポール・トゥ・ウインを飾り、キャリア通算122勝、タウンスヴィルでも通算12勝目を記録。VASC連覇中で、今季も選手権首位を行くスコット・マクラフラン(フォード・マスタング/DJR・チーム・ペンスキー)に対し追撃の狼煙を上げた。

 この第7戦に続き、第8戦もここクイーンズランド州タウンスヴィルに位置する半市街地コース、リードパーク・ストリート・サーキットで2週連続開催を予定するVASCシリーズ。

 その連戦オープニングに向けた土曜の予選ではタイトルコンテンダーの明暗がくっきりと分かれ、第6戦で週末3戦3勝のハットトリックを決めたマクラフランは、アタックラップでミスを犯す失態で16番手に沈むと、予選トップ15シュートアウトに進出した宿敵ウインカップがキャリア通算87度目となるポールポジションを獲得してみせた。

 39ラップの決勝レース1でも、インサイドラインのポールシッター、ウインカップが抜群のスタートを決め、その背後では久々のフロントロウに並んでいたデビッド・レイノルズ(ホールデン・コモドアZB/エレバス・モータースポーツ)が失速。代わってセカンドロウ3番手につけたこちらも久々の予選上位、チャズ・モスタート(ホールデン・コモドアZB/ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド)がするすると抜け出し、ウインカップの背中を追っていく。

 しかし続く90度の右コーナー、ターン2の進入でマルチクラッシュが発生。トップ5を伺っていた“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(ホールデン・コモドアZB/トリプルエイト・レースエンジニアリング)が、前を行くアントン・デ・パスカーレ(ホールデン・コモドアZB/エレバス・モータースポーツ)に追突したのが最初の引き金となった。

 クリッピング付近でプッシングされ行き場を失ったパスカーレは、ターンインを開始していたファビアン・クルサード(フォード・マスタング/DJR・チーム・ペンスキー)を避けようと、マスタングのボディ右サイドを擦るようにしてイン巻きのスピン。

 するとアウト側にいたマシンが行き場を失う大混乱に陥ってしまい、次々とウォールの餌食に。これでSVGを含め、ケリー・レーシングのリック・ケリー、アンドレ・ハイムガートナーのフォード・マスタング2台がレースを失ってしまう。

■シーズン終盤戦の改訂版カレンダーが発表

 一方、このアクシデントに救われたのが16番手スタートだったマクラフランで、混乱を潜り抜けて一気に8番手まで進出することに成功。キャメロン・ウォーターズ(フォード・マスタング/ティックフォード・レーシング)が率いるマスタングの隊列に加わり、ポイント圏内でレースを進めていく。

 そのウォーターズは、2番手モスタートのホールデンが早めのピットでアンダーカットを狙う戦略であることを読み取り、ファーストスティントを長く取って後半フレッシュタイヤでの逆襲を選択。

 するとこの戦略がピタリとハマり、ピットアウト時には4番手まで後退するものの、レイノルズ、モスタートをコース上で仕留め、今季自己最上位の2位表彰台を獲得。その6.8856秒前方では悠々クルージングでレースを支配したウインカップがトップチェッカーを受け、タウンスヴィル通算11勝目を飾っている。

 明けた日曜の2ヒートに向けてもこの宿命のライバル対決が続き、予選ではウインカップ、マクラフランがポールポジションを分け合うと、レース2ではフロントロウに並んだモスタートを寄せ付けず、ウインカップが独走で39周を走破。3位には土曜の失態を取り戻す快走を見せたSVGが大逆転で入り、ほぼ終盤までそのポジションを守っていたジェームス・コートニー(フォード・マスタング/ティックフォード・レーシング)は、ブレーキトラブルで7位に沈んでいる。

 そして週末最終のレース3は、ここまで7位、6位と本来の実力とは程遠いリザルトに甘んじていたポイントリーダーのマクラフランが、定位置のポールポジションから盤石のレースを披露。レースを通じてウォーターズとのマスタング対決を繰り広げたものの、そのプレッシャーも封じて今季8勝目をマーク。このレースで3位に入った選手権2位ウインカップとのポイント差を123点にまで広げている。

 この週末には2020年シーズン終盤戦に向けたスケジュールの改訂もアナウンスされ、シリーズの“魂”である『バサースト1000』は10月15~18日開催で固定ながら、これを改めて最終戦の舞台とし、その直前に“ザ・ベンド”ことベンド・モータースポーツパークでのスーパースプリント2連戦を実施されることが決定。

 9月19~20日、9月26~27日の“ザ・ベンド”を前哨戦とし、続くマウントパノラマがタイトル決定戦の舞台となるシリーズ史上最短のシーズンになることがアナウンスされている。