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パソナ、本社機能の一部を淡路島に移転 総務、経営企画など1200人が対象

2020年09月01日 17:50  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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新型コロナウイルスの感染拡大を機に、働き方やオフィス機能を見直す動きが広がっている。パソナグループは9月1日、東京・大手町にある本社機能の一部を兵庫県の淡路島に段階的に移転すると発表した。2024年5月末までに総務、経営企画などを担う約1200人の移動を目指す。

同社広報は、キャリコネニュースの取材に「働く人々の『真に豊かな生き方・働き方』の実現と、グループ全体のBCP(事業継続計画)対策の一環」と移転の目的を説明。BCP対策とは、自然災害や事故の発生時に企業運営を滞らせないための行動指針のことで、新型コロナの流行を経験したことで各企業のリスク回避の意識が高まっている。

以前から淡路島で地域活性化事業を推進 テーマパークの運営も


同社によると、大手町の本社では現在4600人が働いている。このうち、人事、広報やIT/DX関連などの業務の一部が移転する。残りの本部機能を担う従業員600人と営業などの部署については、引き続き東京の本社に残すという。同社広報は

「正確には、本社で働く1200人が淡路島に移住するのではなく、1200人分の仕事が移動するというイメージ。一部業務については、既に現地で働いている従業員が担当したり、現地で雇用したりするケースも出てくるかもしれない」

と補足した。

同社は2008年から、淡路島で地域活性化事業に取り組んでいる。廃校を活用した複合観光施設や、サンリオの人気キャラクター『ハローキティ―』のレストランなどを営業。県立淡路島公園内には『クレヨンしんちゃん』『NARUTO&BORUTO』などを取り入れたアニメパーク「ニジゲンノモリ」を運営し、淡路島の観光地化に一躍買っている。

また、8月には『ゴジラ』シリーズのミュージアムをオープン。同月には劇場と和洋食レストランを兼ね備えた「青海波」も開業しており、吉本興業のお笑いを楽しむことなどができるという。

「新型コロナで働く人々の"豊かな生き方・働き方"が顕在化」

同社によると、9月1日時点の淡路島で働く従業員は約700人(アルバイトなどを含む)。これまで東京で本部機能を担っていた1200人規模の移動については、生活拠点を移すかどうか本人の意思を確認した上で進めていくという。

「弊社では、一人一人が人生設計に合わせて、豊かな働き方を選択できるようにするスマート・ライフ・イニシアティブを掲げています。また、新型コロナウイルスで働く人々の『豊かな生き方・働き方』が顕在化してきています。まず弊社がこの豊かな働き方を見せることで、社会に示していきたい」(同社広報)

将来的には、社内外に関わらず、こうした新しい働き方を選択できる機運を高めるとともに、淡路島で新しい産業を興せるように魅力を発信していきたい、とした。

5ちゃんねるでは「瀬戸内海気候は穏やかで台風被害も少ない地域ではある。そういう利点を求めた地方移転は向こう10年ほど出てくるかもね」と本社機能の一部移転に一定の理解を示す人もみられた。