トップへ

ミシェル・オバマ夫人、ファーストレディ時代の人種差別経験を語る「誰も私の目を見てくれなかった」

2020年08月30日 14:31  Techinsight Japan

Techinsight Japan

おしどり夫婦で知られるバラク・オバマ前大統領とミシェル夫人(画像は『Barack Obama 2020年5月11日付Instagram「Even if you can’t give the moms in your life a hug today, I hope you can give them an extra thank you today.」』のスクリーンショット)
米史上初のアフリカ系大統領となったバラク・オバマ前大統領(59)とその隣で支え続けた元ファーストレディのミシェル夫人(56)。このほどミシェル夫人が、2009年から2017年の8年間の執務に務めていた頃の苦悩を告白した。

2019年には『TIME』誌の「最も影響力のある100人」に、2018年と2019年には米国ギャラップ社による米国の「最も尊敬する女性」に選ばれたミシェル・オバマ夫人は、バラク・オバマ氏が大統領を退任した後も人々から強く愛され続けている。しかしそんなミシェル夫人もファーストレディ時代は辛くなった時、1人になるため夜中に変装してホワイトハウスから抜け出すこともあったという。現地時間8月26日、ミシェル夫人は「Spotify」の自身のポッドキャストにて当時の苦悩を語った。

「私がホワイトハウスにいた8年間で、完全に無名だった時の話を教えてあげる。」

ミシェル夫人は、友人であるシャロン・マローン氏(Sharon Malone)、デニエル・ペンバートン=ハード氏(Denielle Pemberton-Heard)、ケリー・ディブル氏(Kelly Dibble)と“人種差別問題”について討論し、そこで「自分自身を“大統領夫人”と認識していない人々からくる態度の違い」を敏感に感じてきたことを告白した。

「運河で犬の散歩をしている時、誰かこちらにきては犬を可愛がるんだけど、誰も私の目を見やしない。みんな私のことを認識していないから。そしてそれは白人の人々は認識していないでしょうけど、白人のアメリカ人達が彼ら以外の人間に対する見方でもある。彼らにとって、私達(黒人)は存在していないの。私達の存在が浮き彫りになる時は、“脅威”として扱われる。もうこりごりよ。」

しかしながらミシェル夫人が“大統領夫人”と知られたとしても、差別的な見方がなくなるわけではなかったといい、実際に経験した出来事を回顧した。それはオバマ家の2人娘、サーシャさんとマリアさんが幼かった頃、同じくアフリカ系であるペンバートン氏と娘達を連れてサッカーの試合後のアイスクリーム店に並んだ時のことであった。

「これはまだ私がファーストレディだった頃、一般人として振る舞いたかったから護衛には後ろにいるよう指示していたの。そこで列に並んでいた時に気づいたのが、やっぱり白人達は私のことを見ていないの。見ようともしなかったわ。」
「だからそうね、ただのサッカーユニフォームを着た2人の黒人の娘と2人の黒人の大人がそこにいるってところかしら。そこで1人の白人女性が私達の前に横入りして、まるで私達が見えていなかったように注文し始めたの。私は彼女に近づいて『ちょっと失礼。あなたは横入りしてきたけど、ここに4人立っていることが見えていないの?』と注意したわ。でも彼女は謝罪をしなかった。それどころか一度も私の目を見ることはなかった。彼女は私のことをファーストレディと認識しておらず、彼女にとって私達はただの黒人、または見えてすらいなかったのかもしれない。」

米国に長年はびこる人種差別問題は、今年6月に起きた白人警官からの黒人暴行殺害事件から黒人差別問題を見直す抗議運動「BLACK LIVES MATTER」が盛んとなった。米国史上初の黒人として大統領に就任したバラク・オバマ氏と大統領を支えるミシェル夫人は、差別問題が根強く残るアメリカでは“異端”としても捉えられてきたのだ。

画像は『Barack Obama 2020年5月11日付Instagram「Even if you can’t give the moms in your life a hug today, I hope you can give them an extra thank you today.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MIE)