ダブルヘッダーで開催されているインディカー・ゲートウェイ戦。現地29日に行われたレース1となる第8戦の決勝は、3番手スタートのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が優勝を飾り、最後までトップ争いを繰り広げた佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が2位でフィニッシュした。
ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ・アット・ゲートウェイを舞台に行われるNTTインディカー・シリーズ第8戦。決勝は、直前に行われた予選でポールポジションを獲得したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)を先頭に、200周のレースが開始される。
しかし、スタートの合図となるグリーンフラッグが振られる直前に中段から後方でマルチクラッシュが発生。このアクシデントに4台が巻き込まれてしまい、マシン撤去のためイエローコーションが導入された。
14周目から改めてレースのスタートが切られる。予選5番手を獲得した琢磨はスピードが乗らず、17周目までにポジションを8番手まで落としてしまった。
さらに琢磨は、51周目にギヤボックストラブルを抱えた周回遅れのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)に引っかかってしまい、コナー・デイリー(カーリン)にもかわされ9番手に後退してしまう。
上位陣には大きな混乱もなく、61周目にジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がピットインしたのを皮切りに、各車がピットに入ってくる。この最初のピットタイミングでパワーは順位を落としてしまい、先にピットインしていたパトリシオ・オワード(アロウ・マクラーレンSP)が先頭に立つ。
レース98周目、リーナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)が先陣を切って2度目のピットストップ。ニューガーデン、パワーらも続いてピットに入ってくるが、首位のオワードはステイアウトを選択。しかし109周目、コース上に雨粒が落ち始めたためイエローコーションが提示される。この時点で琢磨もまだピットには入っておらず、6番手を走行する。
116周目にピットがオープンされ各車ピットイン。オワードはトップをキープし、2番手にはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)がつける。レースは121周目に再スタートし、琢磨も変わらず6番手を走行する。
162周目にトップのオワードと2番手ディクソンが同時ピットイン、このピットストップ勝負でチップ・ガナッシのメカニックが速さを見せ、ディクソンが前に出る。この2台がピットに入ったことにより、3番手につけていた琢磨が暫定のトップに浮上。
琢磨はレースファステストも記録しながらピットのタイミングを探り、リードを保ちながら175周目にピットイン。ここで右リヤタイヤの交換に手間取ってしまい、琢磨は3番手でコースに復帰する。
しかし、180周目に琢磨は2番手オワードを1コーナーでアウトからオーバーテイク。その勢いでトップのディクソンに迫るが、ディクソンも自己ベストを更新しながらトップを死守する。
20周に渡る一騎打ちはファイナルラップに突入。ディクソンは琢磨の追撃を交わし、先頭でチェッカーフラッグを受け今季4勝目を挙げた。琢磨は惜しくも2位。3位にオワードが続いた。
30日もゲートウェイで第9戦の決勝レースが行われるインディカー。琢磨はポールポジションからスタートする。