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12本の手指を持つ少年、将来の夢は「医者になって同じ疾患を持つ人を治療したい」(印)

2020年08月29日 05:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

12本の手指を持つ少年(画像は『LADbible 2020年8月26日付「Twelve-Year-Old Boy Has An Extra Thumb On Both Of His Hands」(Credit: SWNS)』のスクリーンショット)
12本の手指を持って生まれた12歳の少年がこのほど『LADbible』などのインタビューに応じ、将来の夢を語った。両親は少年が幼い時に手術を勧められたが、「手術は災いをもたらす」とのお告げにより手術は行わなかったという。

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インド北西部バラムラ地区シェアーリ(Sheeri)に住むファイザン・アハマド・ナハル君(Faizan Ahmad Najar、12)は、12本の手指を持って生まれた。親指多指症と呼ばれるファイザン君の症状は、通常の親指の外側にもう1本小さな指があり、『LADbible』によると1500人に1人の割合で発生するそうだ。

両親はファイザン君が2歳の時に医師から余剰指の切除を勧められたが、地元の聖人に「手術をすれば視力を失うだろう」と告げられて諦めた。

母親のハフィーザさん(Hafeeza)によると、ファイザン君の8歳になる弟は多指症ではなく、家族で同じ疾患を持つ者はいないそうだが、「手術をしなかった」決断についてはこう述べている。

「手術を行わなかったことは正しい選択だと思っています。息子は指が12本あるからといって、ネガティブになることはありませんでした。高い志を持つファイザンは私たちの誇りであり、息子がこれからの人生を立派に生き抜いてくれることを祈っています。」

一方のファイザン君は、多指症について次のように語った。

「指が12本あると、クリケット(インドの国民的スポーツ)や木登りをする時はとても便利だし、ビデオゲームをする時だって親指が役に立つのです。」

「時々『なんで僕だけ』と思うこともありますが、田舎に住んでいるからか、僕の友達は指について何か言ってくることはありません。また12本の指のことでいじめられたこともほとんどありません。」

「僕が多指症で生まれたのは、神様が決めたことだと思っています。だから恥ずかしいと思うこともないし、むしろそのことを誇りに思っています。」

そんなファイザン君には夢があるそうで「将来は多指症の人や身体に障がいがある人を治療する医者になりたいと思っています。人と違うことでいじめられたり、冷やかされることがないようにするためです」と明かした。

なおファイザン君は4本の親指を器用に使ってビデオゲームをしているが、多指症を放っておくと機能障害などが起きる可能性もあり注意が必要だという。専門家は「生まれつき親指が2本ある形態異常はそれほど珍しいことではありません。これは母親の胎内にいる時に、本来1本であるはずの指が2本に分かれてしまうことで起こりますが、手術は1歳前後の早い時期に行うことが理想です」と語っている。


ちなみにインド在住のクマル・ナヤックさん(Kumar Nayak)は、20本の足指(19本との報道も)と12本の手指を持って生まれ、63年間も「魔女は家にいろ」と言われ続けてきたそうだ。クマルさんのような女性を救うためにも、ファイザン君の夢が実現することを願いたい。

画像は『LADbible 2020年8月26日付「Twelve-Year-Old Boy Has An Extra Thumb On Both Of His Hands」(Credit: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)