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光ママが語る、子育てママに支持されたワケ 「家の中のリアルな“お母さん”は見落とされがち」

2020年08月28日 18:31  リアルサウンド

リアルサウンド

 身長172センチ、足のサイズ27センチ(体重はヒミツ)。ママさんバレーに励む熊本弁のどデカい肝っ玉かあちゃんが今、人気を博している。その名は「光(ひかる)ママ!」。お笑いコンビしゃかりきの光によるキャラクターで、息子の「ヒロちゃん(おっくん)」との日常を描いた動画をInstagramにアップし、フォロワーは10月2日現在で63万人を突破。子育てママからの圧倒的な共感を得ているという。朝の情報番組「スッキリ」にも取り上げられ、9月18日には『【日めくり】まいにち光ママ』(ワニブックス)が発売された。「よそはよそ! うちはうちたい!」「安心しなっせ。家族のクラス替えはなかけんね」など、世の中のお母さんたちにエールを送る言葉が詰め込まれたこのカレンダーに、光ママはどんな思いを託したのか。本人に登場してもらった。


参考:大森望が語る、『三体』世界的ヒットの背景と中国SFの発展 「中国では『三体』が歴史を動かした」


――どういう経緯で、Instagramに動画をアップし始めたのでしょうか?


光ママ:SNSに向けて始めたわけじゃないんです。ずっとやってきた光ママ親子の日常ネタを、劇場に来られない人にも見てもらえるように、SNSに動画としてアップすることにしました。それが、ここまで話題になったという流れですね。


――どの層からの反響が大きかったですか?


光ママ:それはもう、完全にお母さんですね。ママ友の口コミってすごいんですよ! データでは、20代後半~40代中盤の女性が圧倒的に多いと出ています。ヒロちゃんは学生なので、そこにリンクする方から「昨日、わたしこれ言った」とか「息子にこれ言われた」などの反響がありました。


――頑張っているお母さんたちに、寄り添うような気持ちで始めたんでしょうか?


光ママ:そうですね。「光ママが言っているからいいんだ。わたしの子育ては間違っていなかったんだ」って言われると、ものすごく嬉しいんですよ。家の外の“お母さん像”はコントとかで見たことがあっても、家の中の本当のリアルな部分って見落とされがちですよね。だから不安になると思うんですよ。けど、光ママの動画をいろんな人が話題にしたときに、「間違っていなかった」と安心してくれているんだと思います。


――動画を見た人たちからは、特にどんな声が多いですか?


光ママ:今年のお盆に、メッセージがたくさん来たのですが、「久しぶりに家族に会いたくなった」とか、「光ママのおかげで今年は孫が帰ってきた」とか。娘がお母さんに「光ママのインスタ見てね!」って言ってくれたり、その逆もあったり。


ヒロちゃん:家族の会話も増えたんじゃないかと思います。


――演技をしている感じがまったくないですよね。


光ママ:もう全く芸人じゃないんで(笑)。普通に生活しているところを切り取っています。


――Instagramの影響で、劇場に来るお客さんも増えたと聞きました。


光ママ:若い追っかけの子は、普通に劇場に来てくれるんですけど。でもお母さんたちは「光ママが出る」と告知すると満席になります。


ヒロちゃん:ママさんバレーのユニフォームを着てくるお客さんもいますよ。


光ママ:渋谷の街をユニフォーム着て歩いてきて、そのまま劇場に来るんです(笑)。「わたし、ママさんバレーやってるから!」とか言いながら。毎回、ひとりはいますよ。すごくありがたいです。


――今後、ヒロちゃんをどう育てていきたいですか?


光ママ:それを言ったら、キリないですよ(笑)! ヒロちゃん、言うこと聞かないし。「はいはい」言うけど、なにもできとらんので。ゆくゆくは就職して自立したときに、「お母さんがやってくれたことが、少しは役に立ってる」って思ってくれたらいいですよね。結婚して子育てするようになったら、ヒロちゃんは絶対に光ママの言葉を使うはずだから


――嫁姑問題が勃発するかもしれないですね。


光ママ:だから先が長いですよね。ヒロちゃんが就職したり、彼女を連れてきたりしたら、もう心配! いままではよかったけど、見る目が変わるかもしれない。


――無限大ですね、老後まで。


光ママ:光ママを知らない人は「なに言うてんねん!」となりますけど、光ママを知ってる人は自然に見てくれますよ。「ヒロちゃん、そんなこと言わないで!」とか。ヒロちゃんに彼女ができたときに、Yahoo!ニュースに載るくらいになりたいですね。『光ママの子ども、ヒロちゃんに彼女が!」みたいな(笑)。


ヒロちゃん:『ヒロちゃんの彼女、光ママと初対面!』とか(笑)。


光ママ:それくらいみんなに共感されるところまで、いけたらいいですよね。


――この度、日めくりを出版するにあたり、これまで動画で表現していたものが、言葉と写真で表現することに難しさは感じましたか?


光ママ:そこは意外とすんなりいけました。メインの言葉は日々、舞台や動画で言っている言葉なんですけど、それに対しての解説文に特に想いを込めて書きましたね。その解説文も読んでほしいです。


 日めくりを見て、「たまには息抜きしていいんだよ」という内容だったら、お母さんたちに「今日、光ママがなにもしないって決めたなら、わたしもなにもしない日でいいや」みたいに思ってもらえたら嬉しいですね。「抱きしめることが最高の愛情たい」だったら、「じゃあ、今日は息子を抱きしめてみよう」とか。


――特に想いを込めた箇所は?


光ママ:全部、想いを込めましたけど、個人的にはいちばん最後が好きですね。光ママの手形を入れているページです。元気な人も、そうじゃない人も、頑張りたい人も、背中を押してほしい人も、最後の言葉を読んでほしいです。


――今後、光ママとしてどのように展開をしていきたいですか?


光ママ:これだけ待ってくれている人がいるので、光ママに注目していただける場所に、もっと出たいです。グルメロケとか、街ブラとか、情報番組とか、お母さんたちが見ている時間に出て、光ママ親子として活動していきたいですね。お母さんたちをガッカリさせるようなことは、絶対にしたくないんですよ。それと、子どもたちに「お母さんを大切にしてほしい」というメッセージを込めて、広げていきたいです。
(取材・文=尾崎ムギ子/写真=鷲尾太郎)