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ベビーフードに金属片を混入しスーパーを恐喝した男 仮想通貨で2億円要求(英)

2020年08月22日 20:21  Techinsight Japan

Techinsight Japan

スーパーを恐喝し逮捕された40代の男(画像は『Metro 2020年8月20日付「Sheep farmer placed metal shards inside jars of baby food at Tesco」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット)
英国で金属破片を入れたベビーフードをスーパーの棚に置き、脅迫メールや手紙をスーパーに送り付けていた男に有罪が確定するようだ。男は仮想通貨で140万ポンド(約2億円)を要求するなどし、その大規模な捜査は2年間にも及んだという。

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英リンカンシャー州在住で牧羊業を営むナイジェル・ライト(45)は、英大手スーパー「Tesco」の2店舗で金属片を入れた「ハインツ」社製のベビーフード3瓶を店内の棚に置いた。犯行後のライトは「迅速に対応すれば、顧客を守れる」「赤ちゃんの口が切れて血が流れたり、腹の中が切れて血が流れるのを想像してみろ」といった大量の脅迫メールや手紙をスーパーに送り付けたり、金属片を入れた瓶をどこに置いたか教える代わりに金を要求した。しかもライトはスーパーに、ビットコインで140万ポンド(約2億円)を支払うように脅迫していた。一連の犯行は2018年5月から2020年2月にわたって行われたという。

ライトは脅迫文で、送り主は架空のキャラクターで海賊の「Guy Brush」「the Dairy Pirates(酪農家の海賊)」と署名し、牛乳の卸価格が低いことに納得できない農家グループの一員と主張していた。

「Tesco」のロッチデール支店とスコットランドのロッカビー支店では、金属片が混入した「ハインツ」製の瓶詰ベビーフードがあったと客から苦情が届いたため、4万2千個が回収されたそうだ。


ロッカビーに住むモーベン・スミスさんは2019年12月、生後10か月の我が子に「ハインツ」の瓶詰ベビーフードを与えていた際、瓶の中に光るものを見つけたため取り出したという。モーベンさんは当時のことを「とてもショックで、気分が悪くなった」と明かしている。さらにロッチデールに住む生後9か月の娘を持つ母親も、ベビーフードの瓶の中から金属片を発見したという。

「Tesco」ロッカビー支店の防犯カメラでは、2019年11月29日にライトが細工したベビーフードの瓶を棚に置いた後、妻へ贈るワインと花束に加え、新たなベビーフードの瓶を買う姿が映っていた。警察は脅迫メールや手紙などの証拠からライトを追跡、自宅を捜査した結果、パソコンから金属片の入った瓶詰ベビーフードの写真や脅迫メールの証拠を発見した。
 
今回の事件では英国全土で100人以上の警察官が配置され、2年にわたる国内最大規模の捜査が行われた。ライトに罠を仕掛けるため、刑事が「Tesco」の従業員サム・スコットという人物になりすまして仮想通貨で10万ポンド(約1380万円)を支払ったが、今年2月25日にライトが逮捕された後、10万ポンドは全額回収されている。

ライトへの判決は9月28日に下される予定だ。なお精神鑑定書の報告を求められており、長期の拘留に直面すると見られている。

画像は『Metro 2020年8月20日付「Sheep farmer placed metal shards inside jars of baby food at Tesco」(Picture: SWNS)(Picture: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)