マクラーレンのカルロス・サインツJr.は、来年フェラーリでいくつもの挑戦に直面するだろうが、シャルル・ルクレールと戦うことは彼にとって魅力的なことだという。
2021年よりフェラーリに移籍するサインツJr.は、セバスチャン・ベッテルの後釜となり、F1におけるキャリアの新しい章を開くが、フェラーリのおそらくは低迷したパフォーマンスに対峙することになる。レギュレーションが凍結されるため、フェラーリのエンジニアはSF1000のパフォーマンスをわずかに上げるぐらいしかできないだろう。
だが25歳のサインツJr.の前に置かれたおそらく一番高いハードルは、フェラーリのガレージの反対側にいるドライバーであるルクレールだろう。彼はイタリア全土から“選ばれし者”と見なされており、最終的に2008年以来となる世界タイトルをフェラーリにもたらすだろうからだ。
ルクレールはサインツJr.にとって最大の難関となるだろうが、サインツJr.は厳しい挑戦に対して何の気後れもない。
「僕は新たに加わる方だが、僕が加入するまでに彼がこのチームで3年過ごしていることはわかっている。彼はマシンを理解しているだろうし、チームのこともとてもよく知っているだろうね」とサインツJr.は『The Race』に語った。
「僕は以前にも同じ状況を経験している。たとえば、ルノーではニコ(ヒュルケンベルグ)がいるところへ加わった」
「みんなと知り合って、どのようにマシンから最大のパフォーマンスを引き出すか理解したり、チームと関係を築いて自分を溶け込ませたりするのに、少しの時間がかかることはわかっている。それがどのような感じか知っているよ。前にも同じことをしているからね」
「簡単ではないことも知っている。特にシャルルに才能があって、ここのところでどれだけ素晴らしい仕事をしているかを考えたらね。彼は手ごわいライバルだ。でも契約書にサインをしたとき、僕はこの挑戦に興奮していた」
「長期契約ではないかもしれないが、それでも中期の契約を結んだ。だからチームに入っていき、忍耐強くゼロから始めて、少しずつチームに適応していく十分な時間がある」
フェラーリの上層部が実質的に2021年には重点を置かず、2022年にF1のレギュレーション改定に続いて復活を遂げることを目標にしている事実があることから、サインツJr.にとっては適応して学ぶための、重要度は低いが自由な年になるかもしれない。歴史的にフェラーリのチーム内に広がっている、大きなプレッシャーのある環境に慣れていくのだ。
「僕はそれを準備だと見ている」とサインツJr.は語った。
「将来はチャンピオンシッップを賭けて戦いたい。それが僕がやりたいことだ。そのために監視され分析されることになる。でも一度タイトルを争うことになったら、常軌を逸したプレッシャーがかかることも確信している」
「こうした筋書きのために準備をしておかないといけないし、僕はその筋書きを実演したいと思っている」
「もちろんそれは僕が頭のなかで考えていることだけれど、でも僕がやってのけたいと思っていることだ。なぜなら世界チャンピオンになりたいドライバーは誰でも、どこかの時点で乗り越える必要があることだからだ」