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"若者のバーキン" テルファーのバッグが人気 完売続きで24時間限定の受注販売を決定

2020年08月18日 23:12  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

「テルファー」のバッグ Image by: FASHIONSNAP.COM
米ブランド「テルファー(Telfar)」のバッグ「The Shopping Bag」が、入手困難になるほど人気を集めている。公式オンラインストアでは、入荷する度に数分で完売。ブルックリンのホットなエリア ブッシュウィックにいるようなファッション好きの若者が持ち歩いていることから「ブッシュウィック・バーキン(Bushwick Birkin)」という言葉で海外メディアで取り上げられ、SNS上ではバッグを入手する難しさを表現するミームが拡散。転売業者が現れ始めたことから、購入を希望する人が全員確実に手に入る方法として受注販売を一日限定で行うことを決めた。

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 テルファーは、テルファー・クレメンス(Telfar Clemens)が2004年に立ち上げたジェンダーレスブランド。2017年にはCFDA/ヴォーグファッション基金 アワードを受賞している。人気を集めるThe Shopping Bagはエコレザー製のレクタングルシルエットで、中央にテルファーのロゴが型押しでデザインされている。3サイズ展開で、価格は150~257ドルと、他のラグジュアリー・デザイナーズブランドに比べ手に取りやすい価格帯だ。

「テルファー」の公式サイト。バッグは全てソールドアウトとなっている。

 テルファーが支持を集める背景には、SNSの発信からバッグの価格まで、ブランドのインクルーシブな姿勢がある。ブランドのスローガンは「NOT FOR YOU — FOR EVERYONE」。バッグの愛用者にはセレーナ・ゴメス(Selena Gomez)やソランジュ・ノウルズ(Solange Knowles)らセレブリティも名を連ねるが、テルファーのインスタグラムでは有名無名関係なく、購入者が投稿した着用写真のリポスト(再投稿)を投稿。インスタのコメント欄には1000件を超える書き込みが寄せられることも多く、熱狂的なコミュニティを築き上げている。また、ファッション業界では未だ黒人経営のブランドや黒人デザイナーの数は少なく、黒人でクィアでもあるクレメンスの成功が黒人コミュニティを盛り上げ、ファンを広げている一因でもある。

 バッグが発売されたのは2014年で新しいものではないが、昨年から人気が加熱し始め、今年春頃から一気に入手困難なアイテムに。再入荷が予告されていた7月23日には、販売直後に完売した上、アクセスが集中しサイトがダウン。高額転売を狙う業者が集中したと見られており、同日「Telfar」という言葉が米ツイッターのトレンドワードに浮上。SNS上では、再入荷時刻に合わせて待機していたが購入できなかったという書き込みも散見された。

[[https://twitter.com/TewChaynz/status/1283412836224503809?s=20]]
[[https://twitter.com/adamsxleon/status/1283408655749185536?s=20]]

 こういった状況を受けて、テルファーは今週「THE TELFAR BAG SECURITY PROGRAM」と題した受注販売プログラムを行うことを発表。8月19日22時(日本時間)から24時間限定で、バッグの受注を行う。全てのカラーとサイズから選ぶことができ、購入者に届くのは12月15日から1月15日までの期間を予定。なお、今後もECサイトでのバッグの販売は継続するが、「ドロップでストレスを抱えないように、必ずバッグを届けられる方法として」受注販売を取り入れる考えだ。

 テルファーは、今回のプログラムを行うにあたり、次のようにコメントしている。「私たちはハイプや希少さを追い求めるブランドではない。私たちのバッグは、アクセシブルであること、そしてコミュニティが全て」。ラグジュアリーブランドは価格で、ストリートブランドは希少性で、それぞれ"エクスクルーシビティ"を追求することで価値を創出してきたが、望む人には全て行き渡るように工夫する「アクセシブルラグジュアリー」を提供するブランドとしてファンを増やすテルファー。インクルーシブなイットバッグの今後に、注目が集まる。

[[https://www.instagram.com/p/CDuYp9sFT2u/]]

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■テルファー:公式サイト