通算92回目のポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデス)だったが、予選後の会見ではあまり浮かない様子だった。
「いい土曜日だったことは間違いない。でも、日曜日に向けて僕たちには、とても大きなチャレンジが待っている。タイヤをいかにマネージメントするかということだ。なぜなら、明日もすごく暑くなることが予想されているからだ」
「おそらく、チームによってさまざまな戦略を採ってくるだろう。いずれにしても、僕たちにとっては明日のレースは大変だろう。シナリオは今日とはまったく異なるものになるだろうからね。確かに1周のペースではレッドブル・ホンダに勝っているように見えるけど、レースペースではほぼ同じ。だから、明日はマックス(フェルスタッペン)との厳しい戦いになるだろう」
このハミルトンの回答を受けて、司会者が予選3番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に、「あなたのマシンは明日のレースで隣(メルセデス)のドライバーたちを倒すことができると思うか?」と尋ねると、フェルスタッペンはこう答えた。
「金曜日のロングランでは、マシンのバランスとタイヤの摩耗状態はとても良かったので満足している。でも明日は明日。やってみないとわからない。まずは彼らを追って、プレッシャーをかけたいと思う」
前戦の70周年記念GPで優勝したときのように、予選Q2でソフト以外のタイヤを履くという選択肢はなかったのか?
「今回はソフトがレースでのスタートタイヤとしては十分だったからだ。確かにソフトはサーキットによっては、数周しかもたないケースもあるけど、スペインGPでは大丈夫だと思う。このカタロニア・サーキットはシルバーストンほどタイヤに厳しくないし、コンパウンドも先週の70周年記念GPの組み合わせよりも硬くなったからね。ただ、ここはセクター3が曲がりくねっているから、そこでのリヤタイヤのマネージメントが重要になると思う」
これを聞いていたハミルトンは心配そうにこう話す。
「彼ら(レッドブル・ホンダ)は我々よりも状況は良さそうだね。もちろん、僕たちも70周年記念GPのような事態(タイヤにブリスターが発生)にならないよう手を尽くしてきたけど、とにかく暑い。祈るしかない」
予選2番手となったチームメイトのバルテリ・ボッタス(メルセデス)も、ハミルトンと同様の見解を示した。
「僕も70周年記念GPのようなトラブルは起きないと思う。なぜなら、ここは異なるタイプのサーキットだからね。これまでのところブリスターやパンクは起きていない。ただ、タイヤがオーバーヒートする点に関しては、明日の決勝レースはとても厳しいものになることは変わりない。難しいと思う。路面温度が高い状況ではタイヤのマネージメントに関してはレッドブル・ホンダにアドバンテージがあることは間違いない」
日曜日のバルセロナは金曜日と土曜日よりも若干涼しくなり、最高気温は30度を下回ると予報されているが、それでも70周年記念GPの日曜日よりは暑い。この暑さがカタロニア・サーキットでどんなドラマを生むのだろうか。