「手作り弁当」という言葉には、愛情が込められていそうな響きもある。コンビニや外食もある現在、わざわざ手作りしなくてもさほど困らないだけに、「手作り」には特別な意味がありそうでやっかいだ。
ガールズちゃんねるに8月中旬「夫が他の女性の手作り弁当を食べてた」というトピックが立ち物議を醸した。トピ主は妊娠中つわりが酷く、夫の弁当が作れなかった時期がある。だがその間、夫が会社の事務員さんにお弁当を作ってもらっていたことが発覚したという。トピ主は、
「事務員さんは定年近いおばさんらしく、息子のように可愛がってもらっていると言いますが、他の女性が作ったものをほぼ毎日食べていたと思うと悲しくて仕方ありません」
と嘆いている。(文:okei)
「旦那さんにはなくても向こうには下心あるかもよ」という指摘も
女性は残念ながら流産したというから、余計に悲しくなってしまうのだろう。発覚したきっかけは、夫が「お礼しなきゃ」と話したことからだという。夫の行動を許せますか?お礼の品を渡したほうがいいでしょうか?と複雑な問いを投げかけていた。
このトピックのコメントは6000近くにのぼり、意見が割れていた。批判的な声としては、
「絶対に許さない」
「作ってくる方も食べる方も気持ち悪い」
「なにその旦那(笑)嫁が作れないなら買って何か食べろや」
など手厳しい。また、浮気云々関係なく「他人の手作り弁当食べるとかありえない」など、コロナ禍のいま衛生的にムリという声も少なくない。
また、「ほんとに定年近いおばさんならね」を繰り返し、疑心暗鬼に拍車をかける人も多かった。定年近いといえば50代後半から60代前半だ。夫が嘘をついているとは考えにくいが、
「旦那さんにはなくても向こうには下心あるかもよ」
など、職場の50~60代女性の“現役感”が生々しく、10歳以上も歳下の男性と不倫していた例を明かす人もチラホラ。年齢は関係なく女は女、ということだろう。
「ただの親切とか世話焼きのおばちゃんなんじゃ?」という声も
一方で、おばさんの好意を素直に受け入れるべきという意見も多数寄せられた。
「定年近いおばさんなら良いじゃん。旦那さんは100%下心無いよ」
「てっきり若い女だと思ったからホッとした。お母さんみたいな感覚じゃない?これが若い女なら離婚するわ」
昭和のご近所おばちゃんの親切のようなもので、むしろ「コンビニ弁当よりも栄養バランスが良さそう」や、「感謝して、ちゃんとお礼の品渡すべきだと思う」という声が目立った。そこまで心配しなくていいと考える人は多いようだ。
また、「うちの母も同じ」と、母親世代が手作りの食べ物を振る舞うエピソードも意外にあった。
「うちの母も自分の作るついでにたまに作ってあげてたわ。なんか子供ぐらいの若い男性がコンビニばっかりだと可哀想になるみたいよ」
「うちの母も、みんな買ってきたコンビニ弁当にお菓子ばっかりなのよ!って漬物とかフルーツとかお昼に振る舞ってる」
娘のわたしが止めても聞く耳を持たないと書いた人は、「家族があんまり相手しないから職場で頼られて(ると思い込んで)嬉しいんだろうね」と分析していた。世の中、他人の世話を焼くのが生きがいという人もいて、それはやはり年かさの女性に多いのだろう。
「手作り弁当」は、母親が子どもへの愛情を示すためとか、女性が男性に家庭的な面をアピールするために作るなど、単なる言葉以上のイメージで語られることがある。なんにせよ、疑ってかかると年増女のちょっかいというややこしさ。トピ主の夫は気軽に親切を受けただけだろうが、妻の気持ちを考えると、少し軽率な行動だったかもれない。