WEC世界耐久選手権2019/20シーズン第6戦スパ・フランコルシャン6時間レースは8月14日、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットで公式予選が行なわれ、レベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソン(ブルーノ・セナ/グスタボ・メネゼス/ノルマン・ナト組)が4戦連続でポールポジションを獲得した(タイム結果はこちら)。
前日に行なわれたFP1、そしてこの日の予選前に行なわれたFP2とFP3ではいずれもノンハイブリッドのレベリオン1号車がトップタイムをマークしており、サクセス・ハンディキャップの影響を受けるTOYOTA GAZOO Racing勢は苦戦を強いられている。
LMPクラスに先立ち18時から行なわれたLMGTEクラスの20分間の予選は、気温25度・路面温度37度というコンディション。セッションが始まると、98号車アストンマーティン・バンテージAMRを先頭に各車がコースインしていく。
ひとり目のタイムアタックでは、ポルシェGTチーム92号車マイケル・クリステンセンが2分14秒223をマークし、まずはトップに立つ。クリステンセンは1周でアタックを決めると、早くもピットへ飛び込んだ。
92号車ポルシェはふたり目のケビン・エストーレも2分14秒191とさらにタイムを縮め、アベレージタイムでGTEプロクラスのトップタイムをマーク。これに続いたのは2台のアストンマーティン・バンテージAMR勢で、97号車が2番手、95号車が3番手につけた。
「クルマはとても良かった。マイケルのファーストラップも良かったから、自信はあった」とアタックを振り返ったエストーレ。
ところがセッション後、多くのマシンに対してトラックリミット違反によるタイム抹消処分が下され、このなかに92号車エストーレのべストラップも含まれていた。
これにより92号車ポルシェはエストーレがノータイムとなり、アストンマーティン・レーシング97号車のアレックス・リン/マキシム・マルタン組が繰り上がりでクラスPPを獲得することとなった。
LMGTEアマクラスは、デンプシー・プロトン・レーシング77号車のポルシェ911 RSR(クリスチャン・リード/リカルド・ペーラ/マット・キャンベル組)がクラストップに立っている。
■レベリオンとトヨタとの差、計測1周目はわずか0.004秒
さらに陽が傾くなか、続いて18時30分からLMPクラスの予選がスタート。セッション開始とともに、全車がコースへと入っていく。
トヨタは7号車TS050ハイブリッドはマイク・コンウェイ、8号車TS050ハイブリッドは中嶋一貴からアタックを開始。レベリオンはメネゼスが最初のアタッカーとなった。
8号車一貴は計測1周目に1分59秒628と59秒台に入れるが、メネゼスがこれをわずか1000分の4秒上回り、暫定トップに立つ。7号車コンウェイは2分00秒762をマークした。
これでトヨタの2台はピットインし、8号車はブレンドン・ハートレーへ、7号車は小林可夢偉に交代する。しかしレベリオン1号車のメネゼスはもう1周アタックを敢行すると、1分59秒342とさらにタイムを詰めてみせた。
トヨタ勢のふたり目のアタックは、8号車ハートレーが2分01秒206、7号車可夢偉が2分01秒378。この時点で残り8分程度を残していたが、2台はピットへと戻った。
レベリオン1号車のふたり目のアタッカーはナト。その計測1周目はトラックリミット違反によりタイムが抹消されるも、翌周に1分59秒813を叩き出す。アベレージタイムでもトヨタ8号車にコンマ8秒差をつけ、総合トップ、ポールポジション獲得を決めた。
トヨタが8号車、7号車の順で続き、総合4番手にはオリバー・ウェッブとトム・ディルマンのアタックにより、バイコレス・レーシング・チームの4号車ENSO CLM P1/01・ギブソンが入っている。
LMP2クラスではひとり目のアタックからトップに立ったユナイテッド・オートスポーツ22号車(オレカ07・ギブソン)のフィル・ハンソン/フェリペ・アルバカーキ/ポール・ディ・レスタ組がクラストップを確保。
山下健太のハイクラス・レーシング33号車オレカ07では、ふたりめのアタッカーとなった山下が2分04秒407をマークするも、アベレージタイムでは2分04秒710で総合10番手・クラス6番手となった。
最終コーナーでスピンもあった山中信哉のユーラシア・モータースポーツ35号車リジェJS P217・ギブソンは総合27番手・クラス8番手で予選を終えている。
スパ6時間レースは15日土曜日に6時間の決勝レースが行なわれる。現地時間13時30分(日本時間20時30分)にスタートが切られる予定となっている。