先週末シルバーストンで行われたF1第5戦70周年記念GPでは、マクラーレンのカルロス・サインツJr.とランド・ノリスは同じエンジンカウルを使用していなかった。カウル後部の開口部が、サインツJr.車の方がずっと大きかったのである。空力的には明らかに不利になるが、それに目をつぶって冷却を優先させたということなのだろうか。
「カルロス車の方に、異常が検出されたんだ」と、マクラーレンのテクニカルディレクターを務めるジェームズ・キーは言う。
「冷却系がかなり高温になってるというデータが出たのだが、理由がわからない。ラジエーターやその周辺パーツに問題はなさそうだったし、センサー異常の可能性もあった」
「一方で、ドライバーの運転の仕方が影響することもある。しかし去年の1シーズンを通じてふたりのドライビングを比較して2台のデータを採っても、温度上昇の違いはせいぜい2~3度に過ぎなかった」
「今回は時間的制約もあったので、とりあえずカルロス側のカウルを広げることにした。空力的にはかなり大きなハンデキャップになって、非常に残念だったけどね」