早ければ8月末のF1ベルギーGPからパワーユニット(PU/エンジン)の予選モードが使用できなくなることが明らかになり、ドライバーたちがそれについての意見を求められた。メルセデスのルイス・ハミルトンは、この新規則は明らかにメルセデスの独走を止めるためのものであると主張する一方で、これにより自分のチームが失速することにはならないと語った。
今週、FIAはチームに対し、予選と決勝の間、パワーユニットをひとつのモードで走らせなければならないという規定を導入する意向を示し、これを第7戦ベルギーGPから導入する可能性があると示唆した。
パワーユニットモードを変更できないということは、予選でパワーを上げる、いわゆる“予選モード”で走ることは許されなくなる。この規則が導入されれば、予選モードによる向上が最も大きいメルセデスが、最大のダメージを被るのではないかと予想されている。
スペインGP前の木曜にこの新規則案について聞かれたハミルトンは「別に驚かない。彼らはいつだって僕らの速さを奪おうとしているんだから」と答えた。
メルセデスが最も失うものが大きいと思うかと聞かれたハミルトンは、それを否定した。
「ノー。僕らのチームのメンバーはエンジンに関して素晴らしい仕事をしてきた。明らかに僕らを遅くするための動きだろうが、彼ら(FIA)が望むような結果にはならないと思う。だから問題ない」
チームメイトのバルテリ・ボッタスは「そういうレギュレーションになるのであれば、誰にとっても条件は同じだ。僕らが決められることではないし、そうなるのなら、受け入れるだけだ」と語った。
一方、メルセデスのパワーユニットを搭載するウイリアムズのジョージ・ラッセルは、予選モードがなくなることに対し、否定的な意見を述べた。
「なくなるのは残念だ。どのエンジンマニュファクチャラーも、予選ではパワーを上げて走る。週末のなかで一番燃料を少なくして、最速のエンジンモードで走るんだ。少しパワーが上がることで、マシンの力を余計に引き出すことができる。週末で一番エキサイティングな瞬間なのにね」
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、エンジンモード変更を禁止する規則はある意味、理にかなっていると語った。
「いいんじゃないかな。予選後は、エンジンモード以外はマシンを変えることができない。そういう方向性をとるのであれば、(エンジンモードも)なくしてもいいと思う」
予選モードによる上げ幅が最も小さいといわれているのはフェラーリだ。シャルル・ルクレールもセバスチャン・ベッテルも、そのため大きな影響はないと断言した。
「僕らは予選と決勝で何も変わらないから、(新規則が導入されても)一切影響はない」とルクレール。
ベッテルは「シャルルが言ったとおり、今シーズンの僕らには影響はないから、様子を見ていくよ」と語った。
「より多くのパワーを出して、ストレスがかかった状態である程度の距離を走れるエンジンにとっては、いいニュースではないだろう。でも現状からすると、シャルルが言ったとおり、僕らは影響は受けない」