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GLAY、MY FIRST STORY……強いメッセージ性、確固たる意思を感じさせるバンド作品 新譜よりピックアップ

2020年08月11日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

GLAY『G4・2020』(CDのみ)

 メンバー4人それぞれが作曲した楽曲を収めたGLAYのニューシングル『G4・2020』、ポップ濃度を高め、驚くほどの変化を表わしたMY FIRST STORYのニューアルバム『V』。強いメッセージ性、確固たる意思を感じさせるバンドの新作を紹介します。


(関連:GLAY「ROCK ACADEMIA」ティザー映像


●GLAY『G4・2020』(CDのみ)
 4人のメンバーそれぞれが作曲した楽曲をコンパイルした“G4シリーズ”第6弾となるニューシングル『G4・2020』。ド派手なオーケストラ、研ぎ澄まされたギターサウンド、遊び心に溢れた構成が一つになったブッ飛びまくりのロックポップチューン「ROCK ACADEMIA」(作詞・作曲:HISASHI)、冒頭からトップスピードで走り出し、シンプルかつエッジーなバンドサウンドを叩きつけるオルタナティブ&パンキッシュな「DOPE」(作詞:TAKURO&JIRO/作曲:JIRO)。TVアニメ『ダイヤのA actⅡ』のオープニングテーマとして書き下ろされた「流星のHowl」(作詞:TAKURO/作曲:TERU)では、デジタルロックサウンドとともに〈全てを出し尽せ/やらずに後悔するのなら〉と鼓舞し、SUBARUレヴォーグ CMタイアップソングとしておなじみの「Into the Wild」リミックスバージョン「Into the Wild ~密~」 (作詞・作曲:TAKURO)では、美しいエキゾチズムと現代社会への批評性を感じさせる歌詞を表現。異なる個性とセンスを持った4人の集合体こそがGLAYであるという根源的なメッセージを改めて示す作品だ。


●MY FIRST STORY『Ⅴ』
 シングル曲「無告」「1,000,000 TIMES」、JESSEをフィーチャーしたミクスチャーロック「アンダードッグ feat.JESSE(The BONEZ / RIZE)」を含むニューアルバム『V』でMY FIRST STORYは大きな変貌を遂げた。アコースティックギターと打ち込みのトラックを軸にしたメロウナンバー「plastic」、ソウルフルなグルーヴ、EDM的な音像を取り入れた「Starting Over」、軽快なピアノとハンドクラップから始まり、朗らかな歌と浮遊感のあるサウンドが絡み合う「証」。端的に言うとポップの度合いが大きく増しているのだ。ヘビィロック直系の音楽性を追求してきた彼らはおそらく、“自分たちが鳴らすべき音楽とは何か?”というテーマと深く向き合い、バンドの在り方を一から定義し直したのではないか。このアルバムには、多くのトライ&エラーの果てに辿り着いた、マイファスの新たなアイデンティティが息づいている。


●PEDRO『来ないでワールドエンド』
 最初に聴こえてくるのはグランジロック直系のベースライン。さらに鋭く尖ったギター、疾走感と厚みを共存させたドラムが加わり、シャープにしてキッチュなボーカルとともにポップな広がりを感じさせるサビへと突き進む。BiSHのアユニ・Dによるソロプロジェクト、PEDROの1stシングル曲「来ないでワールドエンド」は、彼女自身のルーツミュージックに根差したダークかつエッジーなロックナンバー。自身が演奏するベース、田渕ひさ子のギターの絡みもさらに刺激的に発展している。また、新しい恋のはじまりのようでもあり、ディストピア感たっぷりの現在を映し出しているようでもある歌詞も魅力的だ。カップリングには〈shit/嫌だ/壊す/痛いよ〉という声から始まる歪みまくりのハードコアナンバー「pistol in my hand」を収録。


●Argonavis『Starry Line』(通常盤)
 アニメ、ゲーム、コミック、リアルライブなどをメディアミックスした『BanG Dream!(バンドリ!)』発のボーイズバンドプロジェクト「ARGONAVIS from BanG Dream!」からArgonavisの1stアルバム『Starry Line』が到着。バンドリ!のキーパーソンである小説家の中村航がすべての作詞を手がけ、バンドに青春をかける男子たちのストーリーを叙情豊かに描き出している。作曲・編曲には、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)、SHiNNOSUKE(ROOKiEZ is PUNK’D/S.T.U.W)、Shinji(シド)、渡辺拓也などが参加。J-POP的なメロディラインと普遍的なバンドサウンドを自然に結びつけると同時に、メンバーの歌声の魅力をわかりやすく際立たせている。TVアニメ『アルゴナビス from BanG Dream!』オープニング主題歌「星がはじまる」、エンディングテーマ「雨上がりの坂道」も収録。(森朋之)