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被害者の「ミニスカ女性」はグルだった…「盗撮ハンター」に恐喝されたら、どうすれば?

2020年08月07日 10:42  弁護士ドットコム

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女性のスカート内を盗撮した男性を脅して現金110万円をとったとして、恐喝の疑いで男女が逮捕された。


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産経新聞(8月3日配信記事)の報道によると、逮捕された古物商の男性(34)と職業不詳の女性(34)は内縁関係にあり、丈の短いスカートを穿くように、男性が指示していたという。



5月24日、東京・池袋の商業施設で、女性のスカート内をビデオカメラで盗撮した20代男性に対して、「俺の女なんだけど」など声をかけて、現金を脅し取ったとされる。男性は容疑を否認するが、女性は「1年ぐらい前から池袋や秋葉原で毎週やっていた」と認めているという。



このように、盗撮した人から現金を脅し取る手口は「盗撮(ブラック)ハンター」「現代版美人局(つつもたせ)」などと呼ばれている。その実態について、盗撮ハンターに金銭を脅し取られた人たちからの相談に応じてきた河西邦剛弁護士に聞いた。



●盗撮した弱みにつけこむ犯罪

ーー「盗撮ハンター」とはどのような行為をいうのでしょうか



そもそも、盗撮そのものは各都道府県の迷惑防止条例に違反する犯罪行為です。盗撮の被害者が受ける不快感はもとより、精神的な被害は甚大です。なので、いうまでもなく盗撮行為そのものを正当化することは一切できません。



このような、犯罪行為をした人間を狙って、弱みにつけこみ、お金をゆすり取ろうとするのが盗撮ハンターです。



ーー盗撮ハンターはどんな罪に問われるのでしょうか



盗撮ハンターが「警察に言われたくなったら示談金を出せ」などとお金を脅し取る場合は恐喝罪に該当します。



また、本当は盗撮の被害者とつながっていないのに「被害者に渡す示談金だ」などと嘘をついてお金をだまし取る場合には詐欺罪に該当します。いずれも10年以下の懲役の可能性があります。



●グルの女性も恐喝罪に該当しうる

ーー盗撮される女性が盗撮ハンターの仲間だった場合、どうなるのでしょうか



盗撮ハンターの男と、盗撮の被害女性とが、つながっているケースとそうでないケースがあります。当然のことながら、つながっていないケースでは女性が罪に問われる可能性はありません。一方で、つながっているケースにおいては女性が共犯関係になる可能性があり、女性も恐喝罪で罰せられる可能性があります。



ーー盗撮した人は罪に問われないのでしょうか。盗撮ハンターに脅された場合、どのような対応を取ればよいでしょうか





先に述べたように、盗撮自体が犯罪であり、迷惑防止条例違反で処罰される可能性があります。



しかし、盗撮ハンターに身分証のコピーなどを取られて、身元や勤務先を把握されている場合、長期にわたって金銭をゆすり続けられるおそれもあります。それが怖ければ自首するべきです。




【取材協力弁護士】
河西 邦剛(かさい・くにたか)弁護士
「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。アイドルグループ『Revival:I(リバイバルアイ)』のプロデューサー。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:http://rei-law.com/