ワーク・ライフバランスは8月4日、「コロナ禍における政府・省庁の働き方」に関する調査結果を発表した。調査は6~7月にネット上で実施し、20代以上の国家公務員480人から回答を得た。
「3~5月で最も忙しかった月の残業時間」を聞くと、約4割が「100時間超」と答えた。内訳は「100~149時間」(119人)、「150~199時間」(32人)、「200~249時間」(15人)、「250~299時間」(5人)、「300時間以上」(5人)。省庁別にみると、最多が「厚生労働省」で、次いで「文部科学省」「経済産業省」などが続いた。
「メールで議員事務所に送った同じ資料をFAXで再度送るように言われた」
「議員とのやり取りで、官僚の働き方に配慮を感じない」(91.3%)と答えた人は9割以上。自由記入欄には「時間内に聞ききれない量の質問を通告してこないで。部下も鬱になったし私ももう来たくない。なぜ厚労省で死者が出ないのか不思議なくらいです」といったコメントもみられた。このほか、コロナ禍に関連して
「議員が配慮している様が全く見えてこない。不要不急のレクを設定してきたり、地元支援者への特例措置を求めてくるなど」(法務省30代)
「緊急事態宣言が出ていても党の会議で平然と役所を呼びつける感覚などは信じがたい」(文部科学省40代)
「緊急事態宣言中なのに平気で毎日のように職員を呼びつける議員がいた」(防衛省20代)
と"3密回避"などに配慮が足りない、とする声が多かった。
実際に「議員への説明はオンラインに移行せず対面のままだった」(83%)という回答は8割を超える。「国会議員のレクのためだけに出勤せざるを得ない状況だった」「レクに行ったらマスクを外させられた」というケースが複数みられた。
また、議員とのやり取りについては、いまだに9割以上が「FAX」を使用。メールへの移行がなかなか進まない現状が浮き彫りになった。回答者からは
「メールで議員事務所に送ったものと同じ資料をFAXで再度送るように言われた。こちらとしては手間が増えるだけ」(農林水産省30代)
「省内でペーパーレス化が進んでも、議員が使うことを想定して紙(片面)を用意することがほとんどで、コロナ前後で変化はない」(農林水産省20代)
といった声が多く寄せられ、人的資源、紙資源の両観点から非効率な慣習が色濃く残っていることがわかった。
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