台湾のハブオート・レーシングは9月19~20日に行われる2020年ル・マン24時間レースに向けて、元BMWワークスドライバーであるトム・ブロンクビストと契約を結び、3名からなるドライバーラインアップを確定させた。
BMWドライバーとして2019年までIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権などで活躍したブロンクビストは今夏、新型コロナウイルスの影響をうけて9月に延期されることとなった“世界三大レース”のひとつで、ハブオートのマルコス・ゴメス、チームオーナーのモーリス・チェンと72号車フェラーリ488 GTE Evoをシェアする。
2019/2020年シーズンのAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズでGT3タイトルを獲得しル・マンへの切符を手にした台湾チームは当初、オーストラリア人ドライバーのティム・スレードをフランスの耐久クラシックレースで起用する予定だった。
しかし、2018年のスパ24時間ウイナーであるスレードは、彼の母国でのレース活動に影響を与える検疫要件があることからル・マン初参戦を断念することになったとみられている。
そのスレードの実質的な後任としてチームに加わることになったブロンクビスト。彼は今季、アストンマーティンを走らせるRモータースポーツからGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSへのフル参戦が決定していた。だが、このコロナ禍でチームが2020年シーズンのGT3およびGT4カテゴリーの活動休止をアナウンスしたため、メジャーレースへの登場予定は白紙となっていた。
2015年にチームAAIでル・マンに挑んだチェンは「経験豊富なふたりのドライバーラインアップに自信があり、彼らの加入をうれしく思う」と語った。
「フェラーリ使いで速さのあるマルコス(・ゴメス)はAsLMSやブランパンGTアジアの耐久レースで私たちと一緒にレースを戦ってきた。また、トム(・ブロンクビスト)も遠くから見ていて、彼の才能はよく知っている。これは非常に強力なラインアップだと考えているよ」
「ル・マンは象徴的なイベントであり、サルト・サーキットで自ら設立した台湾チームと一緒に戦うことは私の夢だった」
「私は幸運にもル・マンでレースをすることができて、それは台湾人ドライバーとして初めてのことだった。今回はそれに加えて『これが私のチームだ』と誇らしげに言うことができる。その興奮具合はさらに高まっているんだ」