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テレワーク中のマネジメント、ベースになるのは「心理的安全性」 部下を知るための面談が重要

2020年08月05日 20:31  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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「部下が何をやっているかわからない」
「生産性を上げることができない」「仕事が進まない」

これらは、いずれもコロナの影響によりリモートワークが推進される中、マネジメントに苦悩する管理職の声です。しかし、数社の人事の方から最近、以下のようなコメントをもらうことがありました。

「コロナ前にしっかり部下マネジメントができていた管理職は、リモート環境でも問題なく仕事を進めています。逆に、できていなかった管理職は、リモート環境でうまくマネジメントが出来ていません」

今から「コロナ前に、うまく出来ていなかったからな」と嘆いても始まりません。今回は、リモート環境になって組織マネジメントの難しさを感じているみなさまに、ウェブ面談の切り口から、今後必要になってくることをお伝えします。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

マネジメントがうまい人と下手な人の違いは? 5つのポイント

現在もマネジメントをうまく機能させている管理職の人は、どのような工夫をしているのでしょうか。一見すると、やっていることは、みなさんと変わらないかもしれません。仕事の目線を合わせ、仕事を任せ、それを報告させ、フィードバックしていく。しかし、その質が違うのです。

さて、リモート環境でもうまくマネジメントできている人の5つの特徴を示します。

1.ベースとしてお互いの信頼関係が出来ており、なんでも言い合える心理的安全な場を築けている
2.部下のことをよく理解しているので、チーム目標に対しての仕事の任せ方が具体的である
3.チーム員の個々の仕事に偏りがなく、仕事と役割の見える化と業務の平準化が出来ている
4.常に自身のスケジュールをオープンにする等、部下からの相談や情報が上がってくる仕組みを持っている
5.ウェブツールを使いこなし、定期的な面談を繰り返すことによって、部下理解を更に進めている

みなさんは、いくつ当てはまるでしょうか?

部下との“絶対的な信頼関係”を築こう

上記5つのポイントの中で、最も大切なのは(1)になります。信頼関係からでき上がる“心理的安全性”がベースとして必要です。「コロナ前から、うまくマネジメント出来ていなかったし」と少しでも思う人は、部下を知るための面談を繰り返してください。

なぜなら私たちの脳は「知らない」ということに不安を覚えるようにできているからです。互いに対する不安が少なくなれば、そこに安心感が生まれ、心理的安全な空間が醸成されてきます。幸いなことに、リモート環境によって、部下とウェブ面談をする機会が作りやすくなっています。部下を知る面談を組み入れてみてください。

では、どのような事に気を付けて面談をしていけばいいのでしょうか?いくつかありますが、大きく3つのポイントを紹介します。

ポイント1:自己開示をしながら、部下のアイデンティティを掴む

上司自身が自己開示をすると、心理学的にいう“返報性の法則”が働きます。部下の自己開示が進むのです。その中で部下自身のアイデンティティを構成する「価値観(仕事で大切にしている事)・能力(強み)・興味(好きな事)」を理解していきます。

ポイント2:メンバーのキャリアの方向性を掴む

現在の仕事への不満や、現在の役割に対しての不満を傾聴しながら、メンバーの将来のキャリア志向性を聞いていきましょう。メンバーとの未来への共通認識を持つことが大切です。

ポイント3:ウェブツールを使った面談に熟達する

ウェブを使った面談では、リアルな場と違い、相手の表情や息づかいから感情を読み取ることが難しく、こちらの想いもなかなか伝わりません。自身の反応を意識化し、若干のオーバーアクションを心がけましょう。

今回は、リモート環境においても上手にマネジメントをされている人の傾向から、ウェブツールを使った面談で遅れを取り戻すためにやっていただきたいことを紹介しました。いつの時代も、ベースは上司と部下の“絶対的な信頼関係”です。自身の状況に合わせて実践してみてください。