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兵庫県の豊岡市長「新型コロナに感染した方を非難しないで」 SNSの呼び掛けに注目集まる

2020年08月03日 20:00  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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兵庫県豊岡市の中貝宗治市長は8月1日、自身のフェイスブックで「感染した方を非難しないでいただきたい」と呼び掛けた。同市は、市内に勤務する40代男性が新型コロナウイルスに感染したのを受け、防災行政無線で注意喚起。中貝市長の投稿は、その放送内容を受けたものだ。

今回の感染者は東日本海新聞社の社員で、豊岡市内の事務所に勤務しているという。これまでは感染者の氏名、住所、勤務先について、原則公表しない、という扱いになってきたが、同社は新聞社の社会的責任の観点から、自社の社員であることを公表していた。

感染者を叩く風潮が広がると、感染経路を特定しにくくなるリスクも


今回は、普段よりも感染者の情報が公表されていることから、中貝市長は「市民の皆様にお願いがあります。それは、感染した方を非難しないでいただきたい、ということです」と呼びかけた。

さらに「感染者を叩くことは、自分で自分の首を絞めることになる」という専門家の言葉を引用して、訴えに至った2つの理由を説明している。

1つ目は、誰にでも感染の可能性があるということだ。

「ウイルスは、人格や行いの良し悪しを見て取りつく訳ではありません。患者を守ろうと全力を尽くす献身的な医師にだって、取りつくことがあります」

と再度確認。続けて「私も皆さんも、ひょっとしたら明日は我が身かもしれません。正義感を振りかざして感染者を責める刃が、今度は自分自身に降りかかってくるかもしれません」と落ち着いた行動を呼び掛けた。

2つ目については、より深刻な問題と言えるだろうか。中貝市長はこう説明する。

「感染者を叩く風潮が広がると、感染者によっては自分の寄った場所や出会った人などの感染経路を隠してしまい、感染経路が追跡できなくなって、感染防止対策が困難になる、ということです」

感染者がバッシングを受けると、正直に話す人が減り、かえって対策が遅れることにも繋がりかねない。

中貝市長は「結局はブーメランのように、私たち自身に災いとなって帰ってくることになります」と警鐘を鳴らし、今私たちがすべきこととして

「不運にも感染し、不安の中にいる人に対し、人として私たちがすべきことは、励まし、見守り、一日も早い快復を願うことだと思います。コロナ収束後も、私たちは互いに良き隣人であり続けたいと強く願っています」

と強調した。

中貝市長の投稿には3日時点で1400件以上の「いいね」に加え、多くのコメントやシェアが付いている。コメント欄では「一市民として納得できました」「リーダーと呼ばれる全ての人が、周囲の人々に発するべきメッセージですね」と言った声が寄せられている。