開幕3連戦から1週間のインターバルを経て、今季2度目の3連戦が始まった。ホンダは初戦イギリスGPに向けて、これまでに何度か出ていたトラブルの解析を行い、対策を進めてきた。
初日フリー走行は、その甲斐あってまったくのトラブルフリーだった。レッドブルのマシンバランスも確実に改善しているようで、フリー走行1回目(FP1)ではマックス・フェルスタッペンがトップタイムをマーク。アルファタウリも両セッションで、コンスタントにトップ10内の速さを見せた。
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──アレクサンダー・アルボンのクラッシュを除けば、ほぼ順調な1日だったのではないでしょうか?
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):今日はイギリスとは思えない、気温30度超えのなかでのセッションでした。それでもホンダ勢4台は、まったくトラブルフリーでした。これまでの3戦ではトラブルを出したりしたので、それに対する解析と対策を進めてきた。そのおかげで、順調な1日を送れました。
車体の方も、まあまあいいスタートが切れたのかなと。いつものことですがまだ初日ですし、明日以降どうなるかはまだわかりません。チームもわれわれも、序盤3戦の結果を見直した改善点が思った通りに機能しているのか、さらに改善すべき点はあるのか、その辺りをしっかり確認したいと思います。
──アルボンのクラッシュで、車体は大破しました。パワーユニットへのダメージはありましたか?
田辺TD:まだ確認中ですが、パッと見た限りでは大きなダメージはなさそうです。明日どうするか、まだ結論は出ていませんが。
──ドライバーが新型コロナウイルスに感染したということで、ホンダや両チームがさらに厳しい予防対策を取っているということはないですか?
田辺TD:ないですね。すでにFIAのガイドラインを厳格に適用しています。スタッフも細心の注意を払って生活していますしね。その意味では、変化はないです。
──シルバーストンは、回生エネルギーのデプロイメントが厳しいサーキットです。明日以降に向けて、細かく補正を入れていく感じですか。
田辺TD:そうですね。シミュレーションではラップタイム感度の高いところで積極的に使って、低いところは切るやり方をしてきました。今日もいろいろなモードを試しながら、セッティングを確認しているところです。明日のFP3も予選とレースに向けて、その辺りを継続してやることになるでしょう。
──一方で燃費には厳しくないコースですが、フューエル・エフェクト(燃料搭載量感度)は高い。たとえば去年のレッドブルとトロロッソは、「できるだけ軽くしてスタートしよう」と、「がんがん使おう」のふたつの考え方に分かれたと記憶しています。今年の傾向は、どうでしょう?
田辺TD:どうなんでしょうね。フルタンク、空タンクの燃費、戦闘力をチームが見て、どんな戦略にするのか決めて行くことになると思います。