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山本寛斎が生前最後に携わった「日本元気プロジェクト」がライブ配信、実行委員会が今後もイベントを継続予定

2020年07月31日 23:22  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

「日本元気プロジェクト2020 スーパーエネルギー!!」YouTubeでの配信画面より(市川右團次と夏木マリのパフォーマンス)
山本寛斎が実行委員長を務めたイベント「日本元気プロジェクト2020 スーパーエネルギー!!」が7月31日の今日、オンライン上でライブ配信を行った。山本は7月21日に急性骨髄性白血病で逝去したため、生前最後に携わった日本元気プロジェクトとなった。

 1944年生まれの山本は、1971年に日本人で初めてロンドンでファッションショーを開催。長年デザイナーとして活動し、近年は若手の育成に力を入れ、日本元気プロジェクトを2015年から行ってきた。今年3月31日には自身のインスタグラムで急性骨髄性白血病の診断を受けたことを告白。闘病の末7月21日に逝去し、業界内外から追悼のコメントが寄せられた。
>>ファッションデザイナーの山本寛斎が逝去、業界内外から死を悼む声相次ぐ
 今回の日本元気プロジェクトは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、オンライン上で開催。MCを土屋アンナとハリー杉山が担当し、夏木マリと歌舞伎役者の市川右團次が出演するパフォーマンス、デザイナーを目指す学生によるファッションショー、比叡山延暦寺と比叡山山頂からのライブ中継で構成した。
 ライブ配信冒頭では、7月8日に収録された山本の娘で女優の山本未來によるコメントが放送された。「父からはこれからの自分の仕事は未来を担う方々の気持ちに寄り添い、『もっといけ!もっといけ!』と叫び、応援し続けることだと聞いています。今からご覧いただく映像(ライブ配信)は、まさにそんな父の熱い、熱い想いが込もっています。ぜひ皆様もご一緒に未来の才能を応援していただけたらと思います」(山本未來)。
 第1部のパフォーマンスでは、1971年にロンドンのショーで披露した「凧絵」を市川が着用。凧絵は歌舞伎の隈取をモチーフにした服で、実際に歌舞伎役者が着るのはデザインして以来初めてだという。夏木は、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)が1973年に行ったライブツアーのために山本がデザインした伝説的な衣装「TOKYO POP」を纏い、静かな動きでありながら力強さを兼ね備えたパフォーマンスを見せた。
>>山本寛斎による"ボウイルック"はレディー・ガガも着用、グラミー賞のトリビュート・パフォーマンスで披露
 学生たちによるショーは、東京モード学園や文化服装学院、バンタンデザイン研究所、エスモードジャポンなどの生徒が参加。モデルとしてモトーラ世理奈、平田かのん、遠藤さくらが出演した。比叡山延暦寺からの中継では、1200年間1度も消えることなく輝き続けているという「不滅の法灯」を特別に公開。イベントのラストは比叡山山頂での大型の照明を使ったインスタレーションで、山頂から光の筋が天に向かって伸びている様子が映され、消えることのない希望や元気が表現された。
 配信の最後には実行委員会からのメッセージを表示。「山本寛斎の生涯の活動である『日本元気プロジェクト』、その熱き思いを引き継ぎ、これからも活動を継続してまいります。今後とも、変わらぬ応援のほど、よろしくお願い申し上げます」とイベントを継続する意向を示した。