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デヴィッド・ベッカム、W杯での退場処分は「一番きつかった。周囲は残酷だった」明かす

2020年07月28日 18:22  Techinsight Japan

Techinsight Japan

「ピッチではいつも批判されていた」とデヴィッド・ベッカム(画像は『Duke and Duchess of Cambridge 2020年7月27日付Instagram「Thank you to David Beckham, Steph Houghton, Tyrone Mings, Andros Townsend, and Carlo Ancelotti for joining in on the #HeadsUp discussion」』のスクリーンショット)
デヴィッド・ベッカム(45)がウィリアム王子(38)とビデオ電話で交流し、サッカー選手のメンタルヘルスについて語り合った。王子が2019年にローンチしたサッカーを通じてメンタルヘルスに関する会話をするキャンペーン「Heads Up」の一環で、デヴィッドは選手時代に体験した厳しい出来事を振り返った。

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英時間27日、ケンジントン宮殿がSNSを更新し、ウィリアム王子がデヴィッド・ベッカムを含む著名なサッカー選手らとビデオ通話を行ったことを伝えた。「英国王室基金(The Royal Foundation)」は2016年にメンタルヘルスへの偏見をなくすチャリティ団体「Heads Together」を設立したが、2019年にはサッカーを通じてメンタルヘルスへの偏見をなくす議論を進め啓発活動をするキャンペーン「Heads Up」を、ウィリアム王子が指揮を執る「The Football Association」と「Heads Together」がローンチした。

このたび「Heads Up」の一環として行われたビデオ通話では、イングランドサッカー協会(The Football Association)の会長も務めるウィリアム王子が、元イングランド代表主将のデヴィッド・ベッカム、イングランド代表でマンチェスター・シティWFCの女子主将ステフ・ホートン(32)、イングランド代表でアストン・ヴィラFC所属のディフェンダー、タイロン・ミングス(27)、イングランド代表のミッドフィールダー、アンドロス・タウンゼント(29)、欧州屈指の名監督カルロ・アンチェロッティ(61)の5人と対話した。

デヴィッドはかつて、1998年に出場したワールドカップで退場処分を命じられた。ウィリアム王子は、このことが当時23歳だったデヴィッド自身にどのような影響を与えたかと尋ねた。

「今振り返ってみると、あれがどれほど大変なことであるかに気付いていなかった。自分のキャリアの中で逆境に直面したことは覚えているけどね。1998年は一番きつい時期だったよ。」
「一度フィールドに出たら、精神的な準備をしなければならない。もちろんチームメイトはいるけど、『聴衆は僕のことを何と言ってるんだろう』という思いが止まるわけじゃないんだ。これは理解してもらわないといけない。」
「こんな気持ちは、幼い頃に経験していると思う。98年にミスを犯したけど、その時の反応はかなり残酷だった。ピッチではいつも口汚く批判されていたよ。でも時代は変わった。98年当時にソーシャルメディアがあれば、全く違う状況だっただろうね。」
「僕はラッキーだった。マンチェスター・ユナイテッドと監督、そして家族がサポートしてくれた。でも、あの頃『助けが必要だ』と聞いても良いと思っただろうか? いや、違うだろうな。時代が違ったから。自分で全てを抱え込み、自分自身で対処しなければならないと感じていたよ。」
「今は誰もが、大丈夫じゃなくても良いってことを分かってる。そう言って良いんだ。前に出て『助けが必要だ』って言ってもね。」

BBCは去る5月28日に、およそ50分にわたるウィリアム王子のドキュメンタリー『Prince William, Football and our Mental Health』を放送した。王子は番組中で「我々は、サッカーにおけるメンタルヘルスがいかに重要であるかをプロモートするため、サッカーコミュニティ全体からサポートを得ることに成功しました。これがファンやサポーターを通じて社会全体にも広がることを期待しています」と語っていた。



画像は『Duke and Duchess of Cambridge 2020年7月27日付Instagram「Thank you to David Beckham, Steph Houghton, Tyrone Mings, Andros Townsend, and Carlo Ancelotti for joining in on the #HeadsUp discussion」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)