2020年07月27日 10:02 弁護士ドットコム
一度に複数の人と出会える婚活パーティ。最近はさまざまなスタイルのものがありますが、婚活パーティの会社を経営する男性から、参加者とのトラブルについて弁護士ドットコムに相談がありました。
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男性の参加者から、会社に苦情のメールが届きました。内容は「つまらなかったから途中で帰った。参加料金6000円を返してくれ。返してくれなければSNSやありとあらゆる手段で悪評を流す」と返金を要求するものでした。
パーティの参加料金は、男性が6千円。開催時間の3時間は自由に飲食ができるスタイルで、男性は2時間超ほど会場で飲食していました。
相談者は「返金しなければ悪評を流すという脅し文句がすごく不愉快です」といい、男性の行為が恐喝罪や脅迫罪にはあたらないのか疑問に思っています。法的な問題はあるのでしょうか。寺林智栄弁護士に聞きました。
ーー男性は「つまらなかった」と文句を言っているようです
まず、男性は婚活パーティに参加しており、自身の意思で途中で帰っているのですから、返金を求めることはできません。
つまらなかったというのはあくまで男性の主観であり、参加したにもかかわらず返金を請求できる理由にはなりません。
ーーどのような場合であれば、返金を求められますか
返金を求めることができるケースがあるとすれば、主催者側の事情でパーティが開始されなかった、あるいは開始から間もない時間にパーティが打ち切られたようなケースと考えられます。
ーー「悪評を流す」という発言はどう考えられますか
「悪評を流す」という発言についてはいわゆる脅し文句であり、恐喝罪に該当する可能性があります。この脅しが執拗な場合には業務妨害罪にあたる可能性もあります。
実際にSNS上に主催者側が特定できるような内容で悪評を流した場合には、名誉毀損罪ややはり業務妨害罪が成立する可能性があります。
悪評を流したことにより、例えば予約のキャンセルが相次ぐなどの実害が生じた場合には、損害賠償を請求することもできます。
【取材協力弁護士】
寺林 智栄(てらばやし・ともえ)弁護士
2007年弁護士登録。東京弁護士会所属。法テラス愛知法律事務所、法テラス東京法律事務所、琥珀法律事務所(東京都渋谷区恵比寿)を経て、2014年10月開業。2018年11月から弁護士法人北千住パブリック法律事務所(東京都足立区千住)。刑事事件、離婚事件、不当請求事件などを得意としています。
事務所名:北千住パブリック法律事務所
事務所URL:http://www.kp-law.jp/