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【特集】新型「ハリアー」大研究 第1回 1カ月で4.5万台! 絶好調の新型「ハリアー」、どれを選ぶ?

2020年07月23日 11:32  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
発売から約1カ月で約4万5,000台の注文を獲得したトヨタ自動車の新型「ハリアー」。月間販売目標3,100台の15倍に迫る絶好調の出だしだ。このクルマ、グレードやパワートレインなどの違いで299万円~504万円と価格帯が幅広いが、どれを選べば間違いないのか。

○グレードは「G」以上が正解?

発売前から話題だった新型ハリアーだが、初期受注の数が実際の人気ぶりを物語っている。サイズやニーズの違いなどはあるが、このご時世に本体価格299万円~504万円のクルマがバンバン売れるのは、ハリアーのファンや一目惚れした人の多さを感じさせるところだ。ちなみに、2020年2月に発売となった同社のコンパクトカー「ヤリス」の初期受注は、月販目標7800台に対して約5倍の約3万7,000台だった。

ハリアーを購入する際に頭を悩ませるのは、ガソリン車とハイブリッド車(HV)のいずれを選ぶかという問題だろう。パワートレインの違いによるデザインの差別化は皆無といっていいほど。HVはフロントグリルのトヨタマークにブルーのアクセントが入り、テールゲートにハイブリッドのバッチが付くくらいだ。

見た目や装備はグレードで異なる。上から「Z」「G」「S」の3段階で、まさに松竹梅といったところだ。

「S」でも必要なものは一通りそろっているが、ハリアーらしい豪華さを味わいたいなら「G」以上を選択すべきだろう。そうなると、ガソリン車は341万円から、HVは400万円からとなり、やはり上級車だなぁという思いを新たにさせられる。

ガソリン車で400万円、HVで452万円となる「Z」(前輪駆動=FF車)だと、ほとんどの装備が標準化されている。例えばETC2.0車載機も付いているし、大画面SDナビ、JBLプレミアムサウンドシステム、19インチアルミホイールなどの豪華装備や、ブラインドスポットモニター、リヤクロストラフィックオートブレーキといった先進安全運転支援機能なども最初からそろっている。あとは、フロアマットなどの小物類を必要に応じてオプションから選べばいい。「G」以上であれば、ドライブレコーダー機能付きデジタルルームミラーまで標準装備となっているほどの充実ぶりなのだ。

○ガソリン車かHVか、そこが悩みどころだ

新型ハリアーはトヨタの人気SUV「RAV4」とベースを共有するので、パワートレインも共通だ。ガソリン車は2.0L直列4気筒DOHCエンジンで、最高出力171ps、最大トルク207Nmを発揮。燃費消費率は14.km/L~15.4km/L(WLTCモード)とされる。

HVは2.5L直列4気筒DOHCエンジンにモーターを組み合わせたもの。排気量が大きい分、エンジン性能は最高出力178ps、最大トルク221Nmと多少力強い。モーターは、フロントモーターだけでも最高出力120ps、最大トルク202Nmと2.0Lエンジン並みの性能を誇るが、4WDを選べば後輪にもモーターが備わり、こちらはフル電動駆動となる。後輪のモーターは最高出力54p、最大トルク121Nm。参考までにハイブリッドシステムの最大出力は、前輪駆動車(FF車)で218ps、4WDだと222psと記載されている。

ガソリンは全車でレギュラー仕様。上級車だが、経済感覚もばっちりなのだ。

ずばりいえば、ハリアーは基本、2WD仕様で十分だ。4WDはHVしか試乗していないが、やはりFF車と比べると、出だしがややマイルドで、走りも重厚になっているように感じた。実際、車重もHVの方が60~70キロ重いので、燃費の低下にもつながる。

もちろん、降雪地オーナーなどは必要に応じて4WDを選べばいい。ハリアーのキャラクターでは、4WDが味に影響する点はないといっていい。ここは、多彩な四駆システムが売りのRAV4と大きく異なる点だ。もちろん、ハリアーとRAV4ではメカニズムの味付けにも違いがある。

ハリアーを購入する際に注意してほしいのは納期だ。月販目標の15倍という大量のオーダーが入っているので、これから注文したとしても、手元に届くまでの期間は2~3カ月ではきかないかもしれない。ただ、受注ペースはゆっくりと落ち着いていくだろうから、ここは腹を据えて、焦らずじっくりと仕様を考えて、購入の過程を楽しむのもありだ。

従来型ハリアーをしっかりと超えてきたが、どこもかしこも全てがしっかりとハリアー。これが新型の素直な感想だ。このクルマが購入者の期待を裏切ることは、おそらくないだろう。試乗した印象は次の記事で詳しくお伝えしたい。

○著者情報:大音安弘(オオト・ヤスヒロ)
1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。主な活動媒体に『webCG』『ベストカーWEB』『オートカージャパン』『日経スタイル』『グーマガジン』『モーターファン.jp』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。(大音安弘)