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WEC:シーズン再開のスパでバイコレス復帰も、ジネッタとレベリオンの2台目が欠場へ

2020年07月22日 16:21  AUTOSPORT web

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レベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソン(手前)とチームLNTの5号車ジネッタG60-LT-P1・AER(奥)
WEC世界耐久選手権は7月20日、来月15日にベルギーのスパ・フランコルシャンで開催される2019/2020年シーズン第6戦スパ・フランコルシャン6時間レースの暫定エントリーリストを発表した。

 新型コロナウイルスの世界的流行の影響を受け第5戦オースティン以降、2019/20年シーズンが中断されているWECは、8月13~15日に行われるWECスパで約6カ月ぶりにチャンピオンシップを再開させる予定だ。

 例年、ル・マン24時間レースの直前のレースとなるスパ・ラウンドはシーズンハイライトに向けた調整の場となるが、カレンダーが大幅に変更された今季も例外ではなく、LMP2クラスにはアジアン・ル・マン・シリーズなどで活躍するユーラシア・モータースポーツと、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズを主戦場とするアルガルベ・プロ・レーシングのスポット参戦が決定。この結果、同クラスでは今季初となる二桁の出走台数が予定されている。

 ユーラシア・モータースポーツはこのクラスで唯一となるリジェのLMP2マシン『リジェJS P217』を持ち込み、これを山中信哉とダニエル・ガント、未発表のもうひとりのドライバーに託す。当初この3人目にはニック・キャシディが起用されることがアナウンスされていたが、今回公開された暫定エントリーリストではその名を確認することはできない。

 一方、ポルトガルのアルガルベ・プロ・レーシングは、ジャッキー・チェン・DCレーシングとイオタ、ハイクラス・レーシングに続く4台目のグッドイヤータイヤユーザーとして登場予定。こちらはジョン・ファーブのみが登録され、残り2名のドライバーはTBAとなっている。マシンは最大派閥を形成する『オレカ07』だ。

■LMP1クラスは4台での争いに

 出場台数が増加したLMP2とは対象的に、最高峰のLMP1クラスは計4台と寂しいラインアップにとなった。その原因はジネッタG60-LT-P1・AER5号車と6号車を走らせてきたチームLNTのエントリー取り消しと、ル・マンに向けた参戦を予定していたレベリオン・レーシング3号車の欠場だ。

 ジネッタ勢がレース出場を見合わせるのは、輸送問題を抱えた前戦オースティンに続き2戦連続となるが、今戦の欠場理由は不明。なお、ブリティッシュチームはセブリングでWECに復帰する予定だったが、同イベントは新型コロナの影響を受けて中止となっている。

 1号車レベリオンR13・ギブソンのみの参戦に切り替えることになったレベリオン・レーシングは当初、このレースに3号車を登場させ、ルイス・デルトラス/ナタナエル・ベルトン/ロマン・デュマのトリオをデビューさせる予定だった。

 一方、リザーブリストからル・マン24時間の出場権を獲得したバイコレス・レーシングチームが、ル・マンの“前哨戦”となるこのスパラウンドで世界選手権に復帰する。お馴染みの4号車ENSO CLM P1/01・ギブソンにはトム・ディルマンと先日加入が発表されたブルーノ・シュペングラー、さらにもう1名が乗り込む予定だ。

 フェラーリ、ポルシェ、アストンマーティンの各ワークスが凌ぎを削るLM-GTEプロクラスは、これまでと同じ各社2台ずつ合計6台での戦いに。LM-GTEアマクラスは11台による戦いが展開される。

■フォーミュラE参戦ドライバーはデ・フリースのみ欠場

 なお、WEC第6戦スパは、8月にベルリンで6回のレースが予定されているABBフォーミュラE選手権の最終戦と一部日程が重なっていることから、ドライバー起用に関する懸念があった。
 
 しかし、両シリーズに並行参戦するセバスチャン・ブエミ(TOYOTA GAZOO Racing)、ジェームズ・カラド(AFコルセ)、アレックス・リン(アストンマーティン・レーシング)はそのどちらにも出場を予定しており、この3名はWECのレースウイーク序盤は不参加となる見込みだ。

 一方でレーシングチーム・ネーデルランドのニック・デ・フリースはフォーミュラEに集中するためWECを欠場することを選択。このため、オランダチームはヨブ・バン・アウタートを2019年のFIA-F2王者の代役として起用することを発表している。

■2019/2020年WEC第6戦スパ・フランコルシャン6時間レース 暫定エントリーリスト(7月20日版)
Pos.No.ClassTeamCarDriverTyre11 LMP1レベリオン・レーシングレベリオンR13・ギブソンB.セナG.メネゼスN.ナトMI24 LMP1バイコレス・レーシングチームENSO CLM P1/01・ギブソンT.ディルマンB.シュペングラーTBAMI37 LMP1トヨタ・ガズー・レーシングトヨタTS050ハイブリッドM.コンウェイ小林可夢偉J-M.ロペスMI48 LMP1トヨタ・ガズー・レーシングトヨタTS050ハイブリッドS.ブエミ中嶋一貴B.ハートレーMI522 LMP2ユナイテッド・オートスポーツオレカ07・ギブソンP.ハンソンF.アルバカーキP.ディ・レスタMI625 LMP2アルガルベ・プロ・レーシングオレカ07・ギブソンJ.ファーブTBATBAGY729 LMP2レーシングチーム・ネーデルランドオレカ07・ギブソンF.バン・イアードG.バン・デル・ガルデJ.バン・アウタートMI833 LMP2ハイクラス・レーシングオレカ07・ギブソンM.パターソン山下健太A.フィヨルドバッハGY935 LMP2ユーラシア・モータースポーツリジェJS P217・ギブソン山中信哉D.ガントTBAMI1036 LMP2シグナテック・アルピーヌ・エルフアルピーヌA470・ギブソンT.ローランA.ネグラオP.ラゲMI1137 LMP2ジャッキー・チェン・DCレーシングオレカ07・ギブソンH-P.タンG.オブリW.スティーブンスGY1238 LMP2イオタオレカ07・ギブソンR.ゴンザレスA.F.ダ・コスタA.デビッドソンGY1342 LMP2クール・レーシングオレカ07・ギブソンN.ラピエールA.ボルガA.コニーMI1447 LMP2チェティラー・レーシングダラーラP217・ギブソンR.ラコルテA.ベリッチG.セルナジョットMI1551 LM-GTE ProAFコルセフェラーリ488 GTE EvoJ.カラドA.ピエール・グイディMI1671 LM-GTE ProAFコルセフェラーリ488 GTE EvoD.リゴンM.モリーナMI1791 LM-GTE ProポルシェGTチームポルシェ911 RSRG.ブルーニR.リエツMI1892 LM-GTE ProポルシェGTチームポルシェ911 RSRM.クリステンセンK.エストーレMI1995 LM-GTE Proアストンマーティン・レーシングアストンマーティン・バンテージAMRM.ソーレンセンN.ティームMI2097 LM-GTE Proアストンマーティン・レーシングアストンマーティン・バンテージAMRA.リンM.マルタンMI2154 LM-GTE AmAFコルセフェラーリ488 GTE EvoT.フローF.カステラッチG.フィジケラMI2256 LM-GTE Amチーム・プロジェクト1ポルシェ911 RSRE.ペルフェッティL.ヘアーM.カイローリMI2357 LM-GTE Amチーム・プロジェクト1ポルシェ911 RSRB.キーティングF.フラガJ.ブリークモレンMI2462 LM-GTE Amレッドリバー・スポーツフェラーリ488 GTE EvoB.グリムスJ.モウレムC.ホリングスMI2570 LM-GTE AmMRレーシングフェラーリ488 GTE Evo石川資章C.レドガーK.コッツォリーノMI2677 LM-GTE Amデンプシー・プロトン・レーシングポルシェ911 RSRC.リードR.ペーラM.キャンベルMI2783 LM-GTE AmAFコルセフェラーリ488 GTE EvoF.ペロードE.コラールN.ニールセンMI2886 LM-GTE Amガルフ・レーシングポルシェ911 RSRM.ウェインライトA.ワトソンB.バーカーMI2988 LM-GTE Amデンプシー・プロトン・レーシングポルシェ911 RSRTBATBAT.プライニングMI3090 LM-GTE AmTFスポーツアストンマーティン・バンテージAMRS.ヨルックC.イーストウッドJ.アダムMI3198 LM-GTE Amアストンマーティン・レーシングアストンマーティン・バンテージAMRP.ダラ・ラナA.ファーフスR.ガンMI