isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2020年下半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
2020年下半期の運勢 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
危機を転機に転ずる
今週のおひつじ座は、「これまでの積み重ねてきた過去の過程をたどり直していくことで、“次の一手”を思い定めていくような星回り」。
将棋の羽生善治さんは以前インタビューで、長考するときは「初手から現在の局面までにいたる過去の過程をもう一度おさらいしていることが多い」と語っています。これは岐路において「あらためて」進むべき方向や取るべき手段に悩んだ際には、非常に重要なプロセスと言えるでしょう。
人はこれまで生きてきたものを措いては新しいものをいきなり発明することは決してできませんから、新しい問題やこれまで経験したことのない事態に対する時ほど、おのれの「来し方」や「古さ」と真剣に問うことが鍵になってきます。
今週のあなたもまた、いま自分が直面している危機をいかによき転機へと転ずることができるかが問われていきそうです。
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配合とずらし
今週のおうし座は、「慣れ親しんできた実感を、まったく異質に見えるものへと置き換えていくような星回り」。
白い花を咲かせる泰山木(タイサンボク)に、ロダンが彫刻した大理石像の首を連想したのでしょうか。「ロダンの首泰山木は花得たり」(角川源義)という句では、一見無関係な事物を組み合わせることで思いがけない詩情を生みだす技法である「配合」が用いられています。
泰山木のやさしげな芳香も、まるで生きた人間そのもののごとく彫り出された像から漏れた生々しい色香のように感じられたのかもしれません。本当の新しさとは、どれだけ時代を経ても古くならないことのうちにあって、人間がそれに気付くのをじっと待ち続けてくれているような、そんな気がしてきます。
今週のあなたもまた、いかに自分自身を軽やかに刷新していくことができるかがテーマとなっていくでしょう。
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本能の洗濯
今週のふたご座は、「からだが欲するものを食べるがごとく、誰か何かと交わっていこうとするような星回り」。
私たちは無意識のうちに「本能だけで生きている他の生物たちよりも、文明を持つ人間は優れている」とどこかで考えていますが、心理学者の岸田秀によると逆なのだそう。
むしろ「人間は本能の壊れた動物」であり、動物と比べて感覚もずっと鈍いし、特質すべき武器や防具も持ちあわせていないポンコツであるがゆえに、文明を作らざるを得なかったのだと述べています。
人間が本当の意味で憎んでいるのは、きっとおのれの無力さ。そして力を持った存在でありたい、その力で他者を支配したいという欲望は人間であれば誰しもが持っているものです。今週のふたご座は、そうした自己をめぐる真実を少なからず垣間見ていくことができるでしょう。
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ありのままの世界図の回復
今週のかに座は、「眼だけの存在になって、どこまでも冷徹に目の前の景を見定めていくような星回り」。
「かりかりと蟷螂蜂のかほを食む」(山口誓子)という句は、蟷螂(カマキリ)が蜂(ハチ)を食する光景を、いかなる装飾も加えず、何の感情もはさまずに描いています。俳句表現が極限まで研ぎ澄まされるとき、そこには作者の眼だけが存在しているのでしょう。
目の前の対象の本質を過不足なく言葉にしてみせる、その残酷なまでのまなざしの冷徹さは、そのまま自然の冷徹さを鏡のように映しだし、それゆえに深い余韻をもたらします。
あなたもまた、既に身の周りに置きつつ変化に対してどれだけありのままにそれを認識し、受け入れていけるかが問われていくはずです。
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過激なる弱者
今週のしし座は、「みずから新しいネットワークを生み出していくための母胎となっていく星回り」。
現代において自由とは、選べる選択肢の豊富さや利便性の追求によって、つまり世俗との結びつきの強化によって担保されるものですが、中世における自由とはむしろ世俗との関わりや悪縁の弱体化によって実現されるものでした。
そうして過去の因縁からの断ち切りを見事果たし、無縁であることを表明できた人々は、新たな商売や市場や儀礼や芸能の活力を生んでいったのです。
今週のあなたもまた、隠れたところで変化の起点をつくってそれらを結びつけていくことで、現実に大きなうねりを作るための仕込みをすることがテーマとなっていきそうです。
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ぬるっとおぼろげに
今週のおとめ座は、「これまでの常識を自分なりに崩していこうとするような星回り」。
私たちは時として「身を固める」ことで、完璧で強固な自己同一性を獲得していこうとし、難にも潰れることなく、周囲や社会の期待に応えていくことができるのだと信じて疑わないところがあります。しかし、今週はそうした信仰はいったん脇に置いてください。
こうしたタイミングでは、ともすると「身を固める」ことを求められてガチガチになりがちで、生暖かい空気や息吹、ゆらめきのような流動体として感じられやすくなっていくでしょう。
自然とあなたも、変化のない安定した状況や人間関係に居心地の悪さを感じたり、ここではないどこかへ吹き去っていく風のように、これまでの繰り返しのような予定調和をかき乱していきたくなるはず。その意味で、今週は「我慢」を禁句に、どこまでも素直になって心をのばしていくといいでしょう。
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生活にエモを
今週のてんびん座は、「現実から失われた夢の感覚を取り戻していこうとするような星回り」。
現代における悲劇とは、何事においてもいまいち「本気になれない」ということの中にあるのではないかと思いますが、それはここ最近のあなたの姿でもあるかもしれません。
感情的な「エモさ」であれ、より身体的な生命力のようなものであれ、それらが根本的なところで満たされることがないために、思いっきり何かにチャレンジするとか、あるいは非現実的な理想や夢を追いかけるというモードへ、なかなか移っていけないことも。
自分を本気にするためには、身体や心から持てる力をしぼり出して、それまで止まっていた心臓に主導権を移し、少しでも高鳴らせていくこと。最終的に今週のあなたに贈る言葉は、その一点に尽きるでしょう。
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しんしんと潜るよろこび
今週のさそり座は、「一等深いところに潜っていくような星回り」。
「しんしんと」は「深々」とも「森々」とも書き、通常はひっそりと夜が静かに更けゆくさまや寒さが身に沁みるさまなどを表しますが、「しんしんと肺碧きまで海の旅」(篠原鳳作)という句では、明るく健康的なはずの夏の海に使われています。そうすることで、独特の味わいが生まれることに。
まるで深海の底へとゆっくりと沈んでいくかのような、見たことのないはずの深い青が胸の内側にじわじわと広がっていく。頭の中で勝手に作った幻想を突き抜けて、この世界をきちんと体感で捉えようとする冒険的な試みなのだとも言えるかもしれません。
今週のあなたもまた、自分なりの体感を通じて探究上の壁を突き破っていきたいところです。
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不意にこみ上げてくるもの
今週のいて座は、「自分の中にある無意識のうちの恐れが実体化してくるかのような星回り」。
あなたが最後に心から笑ったのはいつでしょうか?もしそれがすぐにパッと思い出せないくらい前のことならば、ここ最近、あなたには不純な動機や破廉恥な妄想が幾分足りていなかったのでしょう。
いて座の人たちというのは、どこかでたらめなことを考えては、奇妙な振る舞いをしていると周りの人に笑われているような時が案外いちばん生き生きしているものです。
なぜそういう時に生き生きしてしまうのか。野暮を承知で言わせてもらえば、それは普段みんなが言いたくても言えないこと、現わそうとしても現わせないことが、自分と世界とのあいだの「余白」から突如として飛び出してくるからなのだと思います。物であれ人であれ、そういう不穏な気配のするところに今週あなたは惹きつけられていくはずです。
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背中で語るべし
今週のやぎ座は、「これまでどこかに秘めてきた自分を、舞台へと上げていこうとするような星回り」。
「渾身のしじまゆつくり羽化の蝉」(三島広志)という句は、蝉(セミ)の羽化のうちに「渾身のしじま」を見出し、生命の根源に迫ろうとしています。
誰にも見届けられることのない長い地中生活を経て、蝉は夏になるといっせいに地上へ。羽化を遂げると、短くも晴れやかに生を謳歌してこの世を去っていくのです。
シンボリズムにおいては、蝉は光と闇の循環的周期を象徴する生きもの。そして今の状況は、やぎ座にとってまさに「光」を浴びるターンのど真ん中なのです。あなたもまた、自分が残りの人生でより輝いていくために、誰のどんなまなざしを必要としているのか、改めて明確になっていくはず。
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読むと考える
今週のみずがめ座は、「創造的慣性の作用を起こしていくこと」。
外山滋比古は名著『知的創造のヒント』の中で、本との付き合いには大きく三つの道があると述べています。第一は、不満を押し広げていって批判や批評を展開するという否定的創造の道。第二はその逆で、どこまでも信用して言われるがままに付いていくやり方。第三は本がおもしろくなってきたところで、あえてその本と別れるのだそう。
これは本を読むにも慣性が働いており、読み切らないで、おもしろくなりそうなところで、つまりスピードが出てきたところで、そこに生じる慣性を利用して自分の考えを浮かび上がらせようとすることに主眼があるといいます。
こういう本の読み方を自覚的に行うにはかなりの自制心や明確な目的意識が必要なように思います。今週のあなたもまた、いかに自分を律して創造のレールへ乗せていけるかが問われていくことになりそうです。
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咲かせよ、あだ花
今週のうお座は、「一生懸命に何かを伝えていこうとするような星回り」。
「逢ひに行く開襟の背に風溜めて」(草間時彦)という句は、これ以上ないくらいの青春そのものの句。真っ白の開襟のシャツ、一生懸命に漕ぐ自転車のペダル、はやる気持ちに、ちらつく相手の顔が思い浮かびます。
誰にもこんな時があったはずだと思わせる吸引力がありますが、それは顔を真正面から捉えるのではなく、あえて背中から描写した構図が為せる妙。私たちは時おり、今よりずっとわくわくとして、ウブで、傷つきやすく、余計な言葉を覚えていなかった十代の一時期に戻ることがあってもいいでしょう。
今週のあなたもまた、自分のなかにまだまだ若く未熟な顔を見出していくことになるかもしれません。
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