今年のハンガリーGP予選は、メルセデスがフロントロウを独占。昨年、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がポールポジションを獲得したタイムである1分14秒572を、Q2の時点でルイス・ハミルトンだけでなくバルテリ・ボッタスも上回る圧倒的な速さを披露した。
これでメルセデスは開幕戦から3戦連続でポールポジションを獲得。ハミルトンは「今季のマシン『W11』は、メルセデスがこれまでに生み出したF1マシンのなかで、最高傑作の一台だ」と称賛している。
予選後の会見では、最高傑作の一台であるW11について、具体的にどこが良いのかという質問が飛んだ。
「最も大きく進化したのはハイスピードコーナーかな。ターン4、ターン8、そしてターン11が昨年から向上している。特にターン11がすごい。ただ、それ以外にも、サーキットのすべてのエリアで改善されている」
「つまり、低速から中速コーナーも速くなっていて、ダウンフォースを発生させるうえで空力の効率が良くなっていると思う。だから高速コーナーが速いんだ。昨年は高速コーナーで少しアクセルを戻していたけど、今年はほぼ全開で行けるんだ」
そして、ハミルトンは「そのマシンを作ったのは、組織の力だ」という。
「すでに昨年のマシンもかなり良かった。それでも、シーズンを通して、あるいはセッションごとに、僕たちはバルテリ(・ボッタス)も含めて、エンジニアたちとマシンを常に改良し続けてきた」
「それはグランプリの週末だけでなく、レースのない週にもファクトリーで多くのミーティングを行った。お互いが刺激し合い、信じ合うことで、僕たちは強い組織となり、そして、最高傑作とも言えるマシンを作り出したんだと思う」
高速コーナーで強さを増したというW11だが、低速サーキットと言われるハンガロリンクでも圧倒的な強さを見せた。今年のハンガリーGP予選でのポールポジションは、最高傑作に相応しい走りだったといえよう。
そして、低、中、高速コーナーで速さを増したメルセデスW11には、現時点では向かうところ敵なしというところか。