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社会人の基本「報連相」は意外とできていない? "伝わりやすい型"を解説

2020年07月17日 07:20  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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報告・連絡・相談は、社会人の基本です。新人研修を実施している企業では、"報連相"(ホウレンソウ)と教え込むところも多いでしょう。ところが、管理職の皆さんからは

「最近の部下は、報連相もろくに出来ない」
「部下の言っていることを理解するのに苦労するんです」

といった声を頻繁に聞きます。メンバーの報連相の力を上げるには、管理職としてどのような関わり方をしていけばいいのでしょうか。今回は、部下に教えたい報連相の"具体的な型"を説明してまいります。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

「結論から聞きたい」というのが管理職の耳


管理職の皆さんは、部下から報告を受ける際に「結論は何だ」「結論から先に言ってくれ」と、ついイライラしてしまったことがあるのではないでしょうか。

皆さんの多くは「部下の話を聴けるようなマネジャーにならなければ」と研修や書籍で学んでいるので、自分の感情を押し殺しながらマネジメントをされています。しかし、聴いているばかりでは、部下の報連相の力は向上しません。どのように伝えたら、伝わる報連相になるのかを教えていく必要があるのです。

報連相には、伝わりやすい型が存在します。この型を部下に教えれば、良好なコミュニケーションにつながり、組織としての生産性も向上するでしょう。

報告も連絡も相談も「まずは案件名から」

では、順番に報連相の型をお伝えしてまいります。

まずは、報告の型です。一般的に報告とは、上司からの指示や命令に対して、部下が経過や結果を知らせることを言います。まめな報告をする部下は優秀に見えるので、部下にとってもプラスになるでしょう。

1、案件名:まず、何についての報告か述べる。
2、結論:報告の要となる「結論は、こうです」の部分を述べる。
3、補足説明:結論を補足説明するための、背景や状況、経緯などを述べる。
4、感想:結論に関しての簡単な感想を述べる。

続いて、連絡の型について解説します。ここでは、上司や部下に関わらず、簡単な情報を関係者に知らせることを言います。丁寧な連絡は「私は聞いてない」といったトラブルを避けることができます。

1、案件名:まず、何についての連絡かを述べる。
2、事実:連絡の要となる「いま、こういうことが起こっています」の部分を述べる。
3、影響:事実によって、「相手にどのような影響が及ぶのか」を述べる。
4、依頼:相手に依頼したいアクションについて述べる。
5、締め切り:アクションの期限を明記する等しっかり伝える。

最後は、相談の型です。判断に迷う時や意見を聞いてほしい時に上司や先輩、同僚に参考意見を聞き、アドバイスをもらうといった形で行われます。素直な相談は、周りの「こいつのために一肌脱いでやるか」という応援獲得につながります。

1、案件名:まず、何についての相談かを述べる。
2、事実:「いま、何が起こっているのか」という事実を述べる。
3、背景:「なぜそれが起こっているのか」という事実に至る背景を述べる。
4、自分の意見:「これに対して私はこう思う」という意見を述べる。
5、相手の意見伺い:「これについてどう思いますか」と相手の意見を伺う。

メンバーの立場からすると、仕事の案件に関して上司や先輩に相談をし、仕事を進めながら関係者に連絡を取っていく。そして、ある程度仕事が進んだ段階で上司に報告をしていく。このような流れが多いのではないでしょうか。

上記のような"分かりやすい報連相"がなされている職場では、上司と部下の意思疎通も良好でトラブルが少なく、仕事の効率が上がる傾向があります。

今回は、メンバーに教えたい報連相の型をお話してまいりました。是非、会議や勉強会の場を活用して、メンバーにこの型を伝え、実践してもらいましょう。そして、的確にフィードバックを行い、確実に報連相の力を上げてもらうのです。組織の成果につながると信じて。