7月15日、ABBフォーミュラE選手権に参戦するエンビジョン・ヴァージン・レーシングは来季、2020/21年“シーズン7”のドライバーとしてニック・キャシディと複数年契約を結んだことを発表した。
前日には、フォーミュラE発足当初からヴァージン・レーシングに在籍していたサム・バードがパナソニック・ジャガー・レーシングへと移籍することが発表されていたが、その後任としてキャシディがチームに加入する。
25歳のニュージランド人ドライバーであるキャシディは、2015年にTOM’Sから全日本F3選手権に初参戦すると見事タイトルを獲得、その後2017年にはスーパーGTでパートナーの平川亮とともに最年少王者に輝いた。そして2019年には全日本スーパーフォーミュラ選手権でドライバーズチャンピオンを獲得している。
そんな日本でおなじみの存在ともいえるキャシディがフォーミュラEにフル参戦することになり、ロビン・フラインスとタッグを組むことが明らかとなった。
キャシディは、すでに3月1日にモロッコ・マラケシュで開催されたフォーミュラEのルーキーテストにエンビジョン・ヴァージン・レーシングから参加しており、同テストではコースレコードを更新し、総合トップタイムを記録するという結果を残している。
「来シーズンからフォーミュラEとエンビジョン・ヴァージン・レーシングに参加できることは、僕にとって素晴らしい機会だよ」とキャシディは語った。
「このチームはグリッド上でもっとも成功しているチームのひとつで、素晴らしいセットアップと設備を持っていて、3月のルーキーテストに参加して以来、つねに感銘を受けている」
「すべてのドライバーは、フォーミュラEというカテゴリーの深さと質の高さが世界最高レベルであることを知っているので、このロスターに僕の名前を加えることができるのは素晴らしいことだ」
「日本でのレースは素晴らしい経験であり、短期間で多くのことを成し遂げられたことを幸運に思っている」
また、エンビジョン・ヴァージン・レーシングのマネージングディレクターであるシルヴァン・フィリッピは、「チームとして、長期的な成功を確実にするためにはつねに先を見据えることが重要だ」とコメントし、キャシディの起用に自信を見せた。
「ニックは、生の才能、スピード、レース技術、そして25歳という年齢の割に素晴らしい実績を持つ、非常に野心的で有能なドライバーだと我々は知っている」
「来シーズンはFIA世界選手権に向けて、フォーミュラEはこれまでと同様に競争の激しいものになるだろうが、ロビン(フラインス)とともに、チャンピオンシップを勝ち取るために最先端で争えるふたりのドライバーがいることを確信しているよ」
そして、チームを支えるエンビジョン・グループおよびエンビジョン・ヴァージン・レーシングの取締役会長を務めるフランツ・ユングも、チームにキャシディを迎えることを歓迎した。
「ニックをエンビジョン・ファミリーに迎え入れることができてとても嬉しい。これまでのニックの実績が物語っているとおり、ロビンとともにチームにとってかけがえのない資産になると確信している」