年頃になると男女で付き合ったり離れたり、といったことを繰り返すが、よく考えてみれば生まれも育ちも違う男女が惹かれ合って恋をするってのもなかなか異常なものかもしれない。
恋愛しても9割の男女はどうせその後別れる。関係の一切が途切れることもあるし、非生産的と考えてもいい。(文:松本ミゾレ)
「なーにが合格だバーカバーカ。それヒガシマルのうどんスープだよ」
おーぷん2ちゃんねるに「百年の恋も冷めた瞬間」という歴史の長いスレッドのシリーズがある。どちらかと言えば女性の書き込みが多いように見受けられるんだけど、その内容がどれもこれも「そりゃ恋も冷めるわ」ってものばかり。せっかくなので、いくつか引用したい。
ある女性は、飲み会の帰りに家に来た彼氏に料理を作ったところ、ガッカリな展開になったと書き込んでいる。『何かあったかいもの食べたい』という彼に、にゅうめんを作って出した。そして、こんなやり取りがあったという。
「これ麺つゆで作ったの?」
「麺つゆは使ってないよ」
「じゃあほんだし?」
「使ってない」
「うん合格、結婚しよう」
そして女性はこう書き込んでいる。
「なーにが合格だバーカバーカ。それヒガシマルのうどんスープだよ。出汁とったかどうか食ってわかんないなら黙って食っとけよ。完食したんだから美味かったんだろ、美味いんだよヒガシマルのうどんスープは。勝手に合否を決める立場になってんじゃないよ」
こうした、手料理について上から目線でどうこう言われて、別れを決意したという書き込みはほかにもある。「先日付き合って4ヶ月の彼と別れた」という女性もそうだ。
「疲れてるから胃に優しいものを食べたい」という彼氏に、卵としらすの雑炊と、牛のしぐれ煮を用意した。しかし、彼氏はしぐれ煮を箸でつまんでピラピラ振り、肉をまた小鉢に戻して
「こういうのじゃ無いんだよなー」
「疲れてるわけだからさー。体力つけたいと思うでしょー? それで、これ? 違くなーい?」
と言ってきたという。確かにこれはイラつく。
こうした勘違い男に愛想をつかす女性は、想定以上に多いようだ。。ということは、世間には勘違い男もまた多いってことか。僕は、大丈夫だろうか。
“百年の恋も冷める”きっかけは男性の傲慢にあるケースを忘れずにおきたい
前述の例を見れば分かるように、書き込んだ女性が彼氏に愛想をつかしたそもそもの原因は、ひとえに彼氏の傲慢にあるものだ。ヒガシマルのスープも利き分けられないくせに「合格」とか言っちゃってとっても痛々しい。その結果「勝手に合否を決める立場になるな」と嫌われてしまっている。
僕の周りにも、たとえばあんまり親しくない段階で一緒に飲んでると、唐突に「松本さん面白いね、今度友達に紹介するよ」とか言われることがある。このとき僕はやっぱり「勝手に合否を決めるな」って思ってしまうし、そういうことを言うやつって話をしてても自慢ばっかで面白くない。
そんなつまらないやつの友達なんかもっと面白くないに決まっているので、二度と会わないように頑張って嘘をついている。
「牛のしぐれ煮」のケースに至っては、これはもう男からも嫌われる男って感じだろう。せっかく手料理を作ってくれた彼女に対して「こういうのじゃ無いんだよなー」なんて言うとは、どれだけ自分が嫌われないという自信を持っているのか。その自信ってある意味武器かもしれないが、この男性の場合はその武器が思いっきり空振りして自分の首を落とす結果となった。
もしかしたら、この手のモラハラ気質な態度がたまたま奏功して、これまでの彼女は付き従っていたのかもしれないが、まあ普通は通用しないよね。どちらの男性にも共通する、ひどい傲慢。その傲慢が一発で百年の恋も冷ます結果となったわけだ。
女性に偉そうにふるまう男性は未だにいる。そういう人たちに言いたいんだけど、傲慢に当たるより、もっと協調性を重んじて彼女に対応するほうが絶対楽しいし、長続きするよ。