isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2020年下半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
2020年下半期の運勢 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
境界線上をゆくために
今週のおひつじ座は、「今このタイミングでしか掴むことのできない豊かさに、気が付いていくような星回り」。
ふつう火と言えば、赤やオレンジなどの明るい色が連想されますが、「蝋燭の焔の瑠璃や夏の暮」(山西雅子)という句では「琉璃」が持ち出されています。
紫をおびた濃い青は、闇が焔(ほのお)を包みつつ、その内と外とのあわいに立ち上がってくる色。「焔」は熱を立ち上げる姿を見せながら同時にたしかな涼気を纏っていて、光と闇、それら2つの異なる領域のちょうど境界線上に「焔」は置かれているのです。
あなたもまた情熱と冷静、未来と過去、夢と現実のはざまで、これしかないという一点突破の抜け道を見出していきたいところです。
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まぼろしに消える道
今週のおうし座は、「さまざまな記号のはりついた人間である前に、一個の生命体であることに基づいていこうとするような星回り」。
厚みや大きさ、手首の細さが異なる二つの手がデザインされたロダンの「カテドラル」という彫刻作品には、不思議な宇宙性と宗教性が横溢しています。
『ロダンの言葉抄』の中で、彼の宗教体験と制作哲学について「線と色調とはわれわれにとって隠れた実在の表象です。表面を突き通して、われわれの眼は精神まで潜りこむのです」と記されており、「よき彫刻家が人間の彫刻をつくるとき、彼が再現するのは筋肉ばかりではありません。それは筋肉を活動させる生命です」とのこと。
今週のあなたもまた、自分が人生に対して何を祈り、それをどのような形で具現化しようとしているのか、改めておのれに問うていくことになりそうです。
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魂の在り様をめぐる省察
今週のふたご座は、「眩暈のように現実がゆらいでいく感覚を楽しんでいくような星回り」。
「眼球の分け入つていく雲の峰」(九牛なみ)という句は、「雲の峰」を見上げて眼窩を飛び出した眼球がじっさいに大小さまざまな雲に触れつつも、景色の内奥へと「分け入っていく」情景が詠まれています。
現実にはありえないことのように思えますが、夢の世界でならばそう珍しいことではないでしょう。ただ、ここでいう夢とは、眠っていて見る「夢」と、覚めていて願望として思い描く「夢」のはざまで揺れているように思えます。
偶然体験した無意識的な衝動の現われとも言えますが、それだけに留まらず、はっきりとした自覚のもとで引き起こされた意識的な体験でもあるのではないでしょうか。今週のあなたもまた、どこか現実の中で夢を見ていくようなつもりで過ごしてみるといいでしょう。
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石ころころころ
今週のかに座は、「雄弁と沈黙のはざまで物思う石のごとく、ただそこに在ろうとするような星回り」。
占星術では人間の中に星を読みますが、時に「石」が読み取れる時があります。ロジェ・カイヨワが生前最後に残した『アルペイオスの流れ』では石に関してつづられており、「絶対的な啞者である石は私には、書物を蔑視し、時間を超えるひとつの伝言を差し出しているように思われるのだった」とのこと。
人はときどき自身の中に密やかな言葉という名前の驚くべき沈黙を見出し、その前にひれ伏すのでも、踏みつけるのでもなく、ただそばに在っておのずから語り始めるのを待たなければいけない状況に直面するのです。
今週のあなたもまた、すぐに意味が分からない出来事や相手に対して慎重かつ粘り強く関わってみましょう。
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自然な呼吸を楽しむ
今週のしし座は、「生活に自分なりのリズムをたおやかに刻んでいくような星回り」。
それはまるで、「うき草や今朝はあちらの岸に咲(さく)」(中川乙由)という句のよう。まだ涼やかな夏の朝、水面でゆらゆらとうごめく水かげろうのように浮き草が次々に咲いているさまに、だんだんと作者の心は引き込まれつつあるのかもしれません。
同じリズムを刻むのでも、人間がやれば最初はどうしてもぎこちなくなるものですが、それはどこか瞑想することと行動することを対立させざるを得ない、心の在り方とも通じているように思います。
今週のあなたもまた、人間や“動物”という種に自分を重ね過ぎるのではなく、実際に「うき草」になったつもりで日々を過ごしてみては。
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人間嫌いをほぐす
今週のおとめ座は、「たましいの充電を行動力に転換していくような星回り」。
トーマス・マンの小説『選ばれし人』のグレゴリウスはみずからの罪(明らかに彼の責任ではない)をあがなうため、湖の真ん中にある島で暮らすことを決意。しかし食べ物が十分に取れなかったために、ハリネズミほどの大きさに縮んでしまいます。
ローマ教皇が亡くなり、ふたりの老人が啓示により小さくて剛毛の生えたグレゴリウスを陸へと連れ出す運びとなったのですが、ここで奇蹟が起きます。グレゴリウスが「汝を許す」という言葉を自分自身に向けて唱えると、陸にあがるやいなやもとの人間の姿となり、史上最も素晴らしい教皇となったと言うのです。
今週のあなたもまた、自分自身を許し、愛する勇気を持つという大きなテーマに直面していくことになるでしょう。
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闇をとぼとぼ
今週のてんびん座は、「ひとつの決断。その重みを感じていくような星回り」。
「夏雲むるるこの峡中に死ぬるかな」(飯田蛇笏)という句は、当時24歳の作者が、学業の中断余儀なくして帰郷した甲府の山中で詠んだもの。
視線は「夏雲」という高きところにありつつも、実際に自分が身を置いていかねばらないのは低き「峡中」であり、死ぬまでのその落差に引き裂かれながら自分は生きるのだという覚悟のほどが既に伺われます。
この天と地、時代と生まれのあいだに引き裂かれながらもそれを引き受け、重心を出来る限り低めていきつつ、何らかの決断を下していくというのは、今年のてんびん座の大テーマとも通じていくでしょう。これから歩んでいく道を確かなものにしていくためにも、今どんな決断が求められているのか改めて意識していくべし。
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流れと転変
今週のさそり座は、「命を担保にして流れる風景と向き合っていくような星回り」。
江戸時代の人は家のそばから猪牙舟(ちょきぶね)といって、屋根なしの小さな舟に乗って移動するのが基本でした。水の動きは自然を目に見えるものとして感じさせてくれる大切な要素でしたが、それを失ってコンクリートやアスファルトに囲まれるようになった現代人は、かなり想像力が損傷してしまったのではないかと思われます。
そして、世界を安定した動かないブロックに変えてしまった時代の流れに最も反する本質を持っているのが水の星座の人たちであり、今こそ足もとから捉えどころのないものを取り出そうとしているのがさそり座なのだと言えます。
今週のあなたもまた、安定した陸上にただいるだけの見方から、不安定な流れのなかで水の流れとともに動いていくような見方へと、自分の感覚のモードを切り替えていくといいでしょう。
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あぶない橋をわたっていくこと
今週のいて座は、「自分の生き方そのものへ、必死に問いかけていこうとするような星回り」。
「短夜や乳ぜり泣く児を須可捨焉乎」(竹下しづの女)という句には漢文調の表現が使われており、「捨てることができようか、いや、絶対にできない」という強い思いが込められています。
忙しく辛い中でも、子を愛し、家を守るよき主婦でありたい自分と、古い価値観を打ち捨て新しい時代を生きる自立した女性として生きたい自分との激しい葛藤が心の叫びとなって表現されたのかもしれません。
今週のあなたもまた、自分を価値づける新旧の考え方がぶつかりながらもも、それが時代に引っ張られつつあるのを感じていくことができるはず。
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さらば正義、さらば勧善懲悪
今週のやぎ座は、「悪党を倒すための正義論から脱していこうとするような星回り」。
正義の味方は悪党をやっつける存在であり、善行を施し人々に愛されるべき存在として信じられてきました。しかし大人になってみると正義の味方はヒーローとしてのみこの世に存在している訳ではなさそうですし、悪党らしい悪党も滅多に存在しないということを痛感してくるはず。
つまり、悪党にも彼らなりの大義があることは珍しくなく、また生育状況の苦労や社会の偏見や不平等などを鑑みると、悪とは個人ではなく社会に帰せられるべきではないかと思い至ってくるのです。悪を裁くための正義ではなく、むしろ悪の中の正義を育て、善を呼び覚ますための正義をこそ私たちは念頭に置いていくべきでしょう。
今週のあなたもまた、単純な勧善懲悪を超えたところに自身の正当性を求め、立証していくことがテーマとなっていきそうです。
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素に戻る
今週のみずがめ座は、「生々しい現実に立ち返っていくような星回り」。
「死にたいはいいけどまづは汗拭けよ」(北大路翼)という句は、「死にたい」という負の呪力を帯びた言葉が暴走している情景が前提とされています。
吹き出し流れる汗という生理現象はほとんど顧みられることないまま進行していて、それを指摘してくれる他者がいる。きれいな言い方をすれば他者を介してひとりの人間の中でタナトスとエロスが交錯していくということになりますが、本当はこの句の眼目は「まづは」という言い方の生々しさこそ肝でしょう。
今週のあなたもまた、芝居がかった日常や、うわっ滑りしているコミュニケーションから、なんとかかんとか抜け出していくことがテーマとなっていくでしょう。
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脱・ルサンチマン
今週のうお座は、「虚構としか思えない現実を、できる限り冷静に観察していこうとするような星回り」。
不当な過酷労働が常習的に行われていた旧ソ連時代、記録文学『収容所群島』の作者であるソルジェニーツィンも悲惨な収容所生活を余儀なくされ、そこでの現実離れした全体主義のおぞましさや非現実性について、作者はこれでもかというくらい客観的にルポしています。
数字を多用したり、あったことをできるだけあるがまま正確に描写。批判をする代わりに「将校だった自分ももし逮捕されなかったら、逮捕する人間と同じ冷酷さを持っていただろう」なんて書いているのです。こうしたものの見方こそ、人間における成熟や品格と言うのではないでしょうか。
あなたもまた、あえておのれを含めた人間の未熟さや偏狭さを見つめていく中で、どれだけ現実への目配せを確かなものにしていけるかが問われていくでしょう。
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