毎度のように今回もガンダムの話をしてみたいんだけども、ちょっとテーマを声優さんに絞ってみたい。声優というか、僕としては声の仕事もしている俳優という認識なんだけどね。昔は声をアテつつドラマにも出てる役者さんって多かったし。
加藤精三さん、青野武さん、丸山詠二さん……このあたりが僕としては超が付くほどお気に入りの声優さんたちなんだけど、残念なことにみんな鬼籍に入ってしまわれた。ガンダムシリーズにおいても、既に亡くなったキャストさんはかなり多い。
今回は現役で活躍する人から、他界した人までひっくるめて、その演技に感銘を受けたネットユーザーの書き込みなんかを見てみたい。(文:松本ミゾレ)
「銀河万丈だろ、ギレンの演説はカリスマ性がある」
5ちゃんねるに、2011年に登場し現在まで書き込みが続いている「ガンダムの中でうまいと思った声優は誰の声?」というスレッドがある。
スレが登場したのが2011年ということもあって、やけに目立つのが『機動戦士ガンダムSEED』のキャラクターを担当した声優の名前だ。ことにアスラン・ザラ役の石田彰さんを「いい仕事をしていた」と評価する書き込みは目立つ。
スレ主自身もお気に入りのようで「感情は勿論のこと、奥行き感を出せるのが素晴らしい。ミゲルやキラに比べて一際うまさが光った」と書き込んでいる。こう、何かを下げつつお気に入りを上げる言い回し。ガンダムオタクって感じでイイよね。
他にも多くのガンダムファンの琴線に触れる書き込みがあるので、いくつか紹介していこう。
「銀河万丈だろ、ギレンの演説はカリスマ性がある」
「シロッコ役の島田敏だな」
「永井一郎なんて1stで30役以上やってただろ。しかも女キャラまでやったんだから」
「水谷優子さんのサラが好き。まだ新人さんの頃だけど、その初々しい感じと舌足らずな口調がかえってサラの少女っぽさを引き立ててた」
「古谷徹さんの凄いところは1stアムロ、Zアムロ、逆シャアアムロを演じ分けている所。他の1stキャラと違ってアムロだけ各時代でキャラが全然違うのに上手く表現してる」
と、もうこんな感じでキリがないんだけど、色々な意見が寄せられていた。2011年といえば、まだ永井一郎さんも水谷優子さんもご存命。スレッドではこの両名の当時の活躍について語る書き込みなんかもあって、なんとも寂しい気持ちにさせられた。
というかガンダムシリーズってあんまり棒演技の役者さんいないよね?
ところでスレッドを読んでいくうちに、ふと「逆に声の演技が下手なキャラっていたかな?」と考えてしまった。みなさんはすぐに思いつくキャラっているだろうか? 「なんだこの声」って違和感をおぼえちゃったような。
僕はあんまり思いつかないんだよね。それこそ『SEED』のビビアン・スーぐらいかな。でもあれって本職じゃないゲストだから、声の違和感があっても当然だし、そんなに気にするまでもないというか。
みんなやっぱり、ちゃんとしたプロの方々なので聞いてて違和感がない。棒演技の人なんてもちろんいないし、脇役だってしっかり演技してるからドラマが疎かにならないというか。
まあ脇役といっても実際よく聞くと永井さんだったり、戸谷公次さんだったりがアテていたので、そりゃうまいわって話なんだけど。考えてみれば、ガンダムシリーズも『逆シャア』ぐらいまでは、モブも実力のある声優さんが担当してるってことはしょっちゅうだった。『Z』でシロッコ役の島田さんだって、例のジオング整備兵やってたし。
最近はどうなんだろう、ちょっと直近の作品にはあんまり明るくない感じになっちゃって、その辺自信ないなぁ……。でも『鉄血』を通しで見た感じだと、やっぱりみんなうまかった。若い人でも、ホントにレベル高いよね、今活躍している声優さんたちは。
ちなみに、僕が一番「うまい!」と思う声優さんは、カイ・シデン役の古川登志夫さんだ。あなたの一番は誰だろうか。