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デヴィッド・ボウイ、ナイル・ロジャースが明かした“ブラック・ミュージック”の壁に対して意外なことを語っていた

2020年07月09日 17:22  Techinsight Japan

Techinsight Japan

「自分が何を見て何を感じているのかを考えているだけだ」とデヴィッド・ボウイ(画像は『David Bowie 2019年10月6日付Instagram「David Bowie photographed by @greggormanphoto in 1982.」』のスクリーンショット)
デヴィッド・ボウイ(享年69)の大ヒットアルバムをプロデュースしたナイル・ロジャース(67)が、ボウイとの思い出を語った。「黒人アーティストは“ブラック・ミュージック”と分類された一車線を走らなければならない」と吐露したロジャースは、ボウイから「どんな人種が聴いてくれるかなんて気にしない」と言われて驚いたという。

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1970年代から活動するバンド「シック」のオリジナルメンバーであるナイル・ロジャースが、このほど『Metro』のインタビューに応じた。ギタリストのロジャースは作曲家やプロデューサーとしても活躍、デヴィッド・ボウイの1983年の大ヒットアルバム『レッツダンス』、1993年のアルバム『ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ』を共同プロデュースしたことで知られる。

ロジャースは当時を振り返り、「黒人アーティストは、ステレオタイプに沿った音楽だけをやっていればいい」という枠をぶち破ることの難しさについて語った。

「多くのアーティストが裕福になり、みるみるうちに有名になっていった。だが黒人アーティストは基本的に“ブラック・ミュージック”と分類された一車線を走らなければならないんだ。そしてこれは僕が常に闘おうとしてきたことなんだ。」
「だけど、とても難しかった。自分は黒人ミュージシャンという枠に分類されているけど、その時代にあった価値観に対応しなくちゃいけない。これはとても難しいことだよ。」

そんなロジャースは、ボウイと仕事をした時に彼の口から驚くような言葉を聞いた。

「ボウイは、そんなことは考えたことがないと言ったよ。自分が何を感じているのか、何を見ているのかを考えるだけだってね。どの観客が自分のことを好きになるかなんて、気にしたことはないってね。」

驚いたロジャースは「なんてことだ。白人に生まれてくるのは、凄いことに違いないね」と思わず言ったという。しかしボウイは気分を害する様子もなく、言葉の意味を完全に理解してくれたそうだ。


Apple MusicとThe Ivors Academyは、イギリスのアーティストが著名な人物から1年間のインターシップを受けることができる新しいスキームを設立した。その一環としてメンターを務めるロジャースは「歌の感情的なメッセージに共感し、表現する才能がある」と惚れ込んだソウルシンガーソングライター、アマーラ(Amahla)の指導を行っているという。

「ちょっと前に、これはヒットするぞって曲を書いていたんだ。それを彼女に渡して、“もっと良い曲にすることができるかな”って言ってみた。そうしたら彼女はチャレンジしてくれたんだ。」

画像は『David Bowie 2019年10月6日付Instagram「David Bowie photographed by @greggormanphoto in 1982.」』『Nile Rodgers 2019年11月5日付Instagram「Wearing @jpgaultierofficial designed and signed @wearefamilyfdtn 2019 tee in my #apartment.」、2020年7月6日付Instagram「Proud to be part of the #TheIvorsRisingStar mentorship program with @IvorsAcademy & @AppleMusic.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)