2020年で創設2年目に突入するTCRオーストラリア・シリーズと、その運営団体であるARG(Australian Racing Group)は、シリーズ単独開催となる新たなeスポーツ選手権『TCR Australia SimRacing Series』を実施。その開幕戦となるメルボルン、アルバートパークでの1戦はバーチャルのプジョー308TCR、ルノー・メガーヌR.S.TCRのフレンチマシン2車種が勝利を飾っている。
全13台のエントリーが集ったその開幕戦は、本来ノンチャンピオンシップ戦としてTCRアジア・パシフィック・カップの開幕戦にも指定されていたアルバートパークが舞台となったが、最初の予選でポールポジションを射止めたのは父ジェイソンに変わって急遽代役参戦となったベン・バルグワナ(プジョー308TCR/Burson Auto Parts Racing)。
長年VASCで活躍し2000年にはバサースト1000も制した父に代わって、今季現実のシリーズにも参戦予定のプジョーを操ると、フロントロウにつけていた強豪Garry Rogers Motorsportのディラン・オキーフ(ルノー・メガーヌR.S.TCR)や、ジョン・マーティン(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)らレギュラー勢を従えてライト・トゥ・フラッグでの勝利を獲得。栄えある『TCR Australia SimRacing Series』初代ウイナーの称号を手にした。
続くレース2は、2019年に初代TCRオーストラリアのシリーズチャンピオンに輝いているウィル・ブラウン(ヒュンダイi30 N TCR/HMO Customer Racing)がリバースポールからの発進となるも、グリッド上で間違ったキー操作を行ったことで、なんとピットへ戻されるというハプニングが発生。
これで主導権を握ったのは、リバースのフロントロウに並んでいたピーター・ボダノヴィッチ(ヒュンダイi30 N TCR/Racing Sims NZ)となり序盤戦は首位を維持したものの、背後から主役の座を狙ったのがレース1で涙を飲んだGRMのオキーフ。
その前戦開幕ヒートではオープニングラップでホンダのマーティンにかわされたのち、ドライビングエラーも重なりジェイソン・ランズレー(ヒュンダイi30 N TCR/HMO Customer Racing)にもパスされ4位に終わっていたオキーフは、このレース2で勢いを取り戻し2番手のリアム・マクアダム(アウディRS3 LMS/LM Motorsport)を早々に仕留めると、首位ボダノヴィッチの猛追を開始する。