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百貨店6月の売上は回復傾向、クリアランスセールやECが好調

2020年07月01日 18:32  Fashionsnap.com

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5月30日に全館営業を再開した伊勢丹新宿店の様子 Image by: FASHIONSNAP.COM
三越伊勢丹ホールディングス、高島屋、エイチ・ツー・オー リテイリング、J.フロント リテイリング、松屋、そごう・西武の主要百貨店6社が7月1日の今日、6月の売上速報を発表した。6月は営業時間を短縮する店舗が多かったものの、首都圏の店舗を中心に月末まで休業していた前月よりも全社ともにマイナス幅は回復傾向を見せた。

 各社の売上高の前年同月比は既存店ベースで、三越伊勢丹ホールディングスが19%減、高島屋が16.4%減、エイチ・ツー・オー リテイリング(阪急阪神百貨店)が10%減、J.フロント リテイリング(大丸松坂屋百貨店)が28%減、松屋(銀座本店)が35.8%減、そごう・西武が16.5%減だった。全社ともに免税売上が引き続き大幅減の厳しい状況が続いており、客数は前年比から減少しているものの、ECなど店頭販売以外の取り組みが奏功した。
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 エイチ・ツー・オー リテイリングは、5月30日から都心店舗でも土日営業を再開。6月中は営業時間を短縮し、催事や販促施策の自粛を継続している。来店客の集中を避けるために前倒ししたクリアランスセールが売上を底上げした。阪急本店ではモードブランドの取り組みを強化し、婦人ファッションが前年比547%、化粧品が前年比284%と伸長。売れ行きの傾向としてはパラソルなど季節アイテムの必需品が堅調に推移し、お中元は前年比101%と好調だった。
 三越伊勢丹ホールディングスの百貨店事業は、ほぼ全店で客数が減少し、売上が前年を下回った一方で、食品やリビング用品、子ども用品など購入目的が明確な客や購買意欲の高い客が多かったことから客単価は前年実績を上回った。東京都心の店舗では、月初は生活必需品のニーズが中心だったが、徐々にラグジュアリーブランドや宝飾品などの高額品の需要が上向いているという。また、分散化して開催したクリアランスセールは堅調に推移し、6月9日に刷新した三越伊勢丹オンラインの売上も好調だった。
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 松屋は、国内移動の自粛により入店客数が前年に対して4割程度となったが、化粧品は国内の売上高前年比3.9%減、ラグジュアリーブランドは国内の売上高前年比8.1%増となり、外商ではテレビ通販などの特注が奏功し、売上高前年比75%増になるなど店頭以外の取り組みが伸長した。