ルノーF1チームのマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、2020年開幕戦オーストリアGPには大規模な改良を施したR.S.20を持ち込むと語った。当初序盤戦に予定していた3戦分のアップデートをまとめて投入するという。
パンデミックでシーズンが休止される前、ルノーは序盤6戦のなかで4月のベトナムGPを皮切りに、オランダ、スペインと、R.S.20のアップデートを段階的に行う計画を立てていた。
しかしシーズン序盤の10戦が延期あるいは中止となり、チームは戦略の変更を迫られた。
その結果、連続して行うはずだった当初のアップグレードは、1回の大規模なアップデートにまとめられ、7月5日のレッドブルリンクで投入される。
「アップデートを投入する予定だ」とアビテブールは報道陣に語った。
「当初の第3戦(ベトナム)、5戦(オランダ)、6戦(スペイン)に向けたパッケージを用意するために、内部の生産部門は多大な努力を注いだ。つまりベトナムから始まり、オランダ、バルセロナに持ち込まれるはずだったものを、我々はオーストリアでマシンに搭載する」
「それらのレースは(当初予定された日程には)開催されなかったが、そこで発揮されるはずだったパフォーマンスがシュピールベルクで見られるだろう」
アビテブールは開幕戦でのパフォーマンスについて慎重に考えているものの、オーストリアに向けて全力で準備を行ってきたという確信はあるという。マシンのアップデートを行う一方で、今後数週間で必要となる、重要なスペアパーツの在庫も用意したという。
「期待しすぎないでいたい。なぜなら我々の昨年のマシンは非常に出来が悪かったからだ。マシンがわずかでも良いものになっていることを願う」とアビテブール。
「冬季テストの結果からは、我々のマシンに競争力があるかどうかについては今も確信を持てずにいる。現時点では、あまり多くのことを語りたくはない」
「すべてのパーツを大量に取り揃えるために払ってきた努力に対しては、本当に満足している。縁石がいくつか取り除かれたとはいえ、シュピールベルクがマシンにとって厳しいコースであることは、我々全員が理解しているからだ」
「物量の面でも計画を立てなければならなかった。一部のパーツには、マシンに十分なパフォーマンスをもたらすことを期待している」