isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2020年下半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
2020年下半期の運勢 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
力を抜いて手を振り下ろす
今週のおひつじ座は、「自己やその運命の落しどころを定めていこうとするような星まわり」。
井上陽水の『積み荷のない船』という曲は「積み荷もなく行くあの船は、海に沈む途中」という歌いだしで始まり、「帰るまで好きな歌をきかせて、会えるまで胸と胸が重なるまで」というフレーズで終わります。
何事も、始まりがあれば必ずいつか終わりがやってくるもの。この曲で歌われる「好きな歌」とは、宇宙的な運行リズムが、自分が落ち着くべき肉体のリズムと組み合わさり、アレンジされていく上で自然に生まれてくる音楽なのではないか、そんな風にも思います。
人生というものが、そんな音楽と共にあるのだとすれば、あなたはどんな音を選びますか。そんなことを考えつつ、どうか今週は過ごされてみて下さい。
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古いじぶんと新たなじぶん
今週のおうし座は、「“宇宙を捨てる”くらいの気概を胸に抱いていくような星回り」。
オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』の一節では、「われら、いずこより来たりて、いずこへ去っていくのか」という人類が決して解くことのできない謎への思いが歌われています。
「神のように宇宙が自由に出来たらよかったろうに、そうしたらこんな宇宙は砕きすてたろうに。何でも心のままになる自由な宇宙を別に新しくつくり出したろうに。」
そんな風にユーモアたっぷりに、そしていとも楽々と「宇宙を捨てる」とか「宇宙をつくる」といった言葉の連続で大それたことが歌われているのを聞くと、思わず脱帽したくなってきます。
今週のあなたは、知らず知らずのうちにはまりこんでいた常識や思考の枠組みを、エイヤと踏み越えていくだけの勢いが不思議と湧いてくるはずです。
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運命の交錯
今週のふたご座は、「タガを外して力を存分に発揮していこうとするような星回り」。
ひとりの人の後ろにはいろいろな人の運命が交差していますが、やっぱり他人ですから、関わっている相手がどんな人間なのか、どんな運命なのかは掴みきれないまま、うすぼんやりとしています。
そのことを真面目に考えすぎると気味が悪くなってくるかも知れませんが、理解できてなくて当然なのだとも言えます。この世に生きているということの醍醐味は、そうやって生きた交流を通して互いの運命を明確にしていくことにあるのでしょう。
今週のふたご座は冷静に淡々と、ユーモアとシリアスのあいだに立って、そうした生の醍醐味を味わい、寄り添っていくべし。
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感覚の創造
今週のかに座は、「制度化された性別や恋愛の“外”に広がる可能性の世界を、志向していくような星回り」。
江戸川乱歩は作品を書くことによって「女」になろうとしていたのであり、そのために「私」を徹底的に分断して、自らの想像力のみを駆使してまったく新しい理想の「女」として再構築していったのではないか。批評家の安藤礼二は、このように指摘しています。
乱歩ほど徹底的に実行できるかはさておき、今週のかに座の星回りからも、「私」を再構築することへの鬼気迫る情熱のようなものを感じてなりません。
自分は自分が救われるために、一体何を望んでいるのか。その夢想の根底へと一歩ずつ、しかし着実に歩を進めていくことです。
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阿修羅と人間
今週のしし座は、「みずからの背負っている“業”を改めて見つめていくような星回り」。
私たちはネコや犬のことを、愛玩の対象や子どものちょうどいい遊び友達と認識していますが、そのどこかで自分たちとは断絶した、異質な存在として見なす時代を生きています。
しかし少し歴史を遡れば、ある特定の動物や植物(トーテム)を自分たち種族全体の守護神、そして祖先として信仰していた時代がずっと長く続いてきました。
そうした世界では、他の動物を殺して食べることもまた「自分は何者か。何と一体になりたいのか?」という問いかけであり、それへの応答であったはず。狩りの獲物は食料であり神でもあり、狩りのパートナーである動物もまた神だったのではないでしょうか。
今週のしし座は、自分の自然な立ち位置ということをいつもより少し広い視点から考えてみましょう。
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魔女とは“手ごわい女”のことを言う
今週のおとめ座は、「これまでの自分とは、まったくの別人にならんとするようなエネルギーの発露」。
大人になると、人生というのはそれほど綺麗なものではないということに気付き、それが当然であることをどこかで受け入れることを余儀なくされます。
マクベス劇の「きれいはきたない、きたないはきれい」という有名なセリフのように、この世という見せかけの世界では、思いは「逆に成る」ということが真理なのです。
「自分の内面に向かって、あくまで自分の生きやすい世界をつくれるか否か」という方へ魂を向け変えていけるとき、汚れや歪みは自然と消えていくのではないでしょうか。
そのことをよく踏まえた上で、今週は自分の本当の望みはどんなものなのか?と、自分の内側の奥深くへ問いかけてみてください。
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不安の海を漕いでいく
今週のてんびん座は、「新しい世界に飛び出していきたいという気持ちが、不意に膨らんでいくような星回り」。
「わが夏帽どこまで転べども故郷」(寺山修司)という句で詠まれているのは、突然吹いてきた風に飛ばされた帽子をあわてて追いかけた場面。ここにはどこかホッとした安堵感と同時に、もう一つの相反する感情が気配のように漂っています。
すなわち、できれば故郷の外へ、まだ見ぬ新しい世界へとそのまま転がっていって欲しかったという願いと、それがかなわかったことへの失意です。
この安堵と期待の双方のあいだで揺れ動く混濁した意識は、どこか今のてんびん座にも通じるところがあるのではないでしょうか。今週のあなたも、これまではそこで安寧を得ていた心理や成長過程が、もはや終わりを迎えつつあることが実感されていくはずです。
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道草を楽しむ
今週のさそり座は、「軽みをもってこの世に浮かれていくような星回り」。
エーリッヒ・ショイルマンの『パパラギ』において、時間は「ぬれた手の中の蛇のようなもの」と例えられており、「私たちは、哀れな、迷えるパパラギを、狂気から救ってやらねばならない。時間を取りもどしてやらねばならない」と記されています。
確かに私たちは次から次に投げわたされる情報の処理に忙殺されて、肝心の頭やハートがお留守になってしまう「機械的金縛り状態」とも呼ぶべき事態にしばしば陥ってしまいます。
だからこそ著者がいうように、ときどき「小さな丸い時間機械を打ちこわし」てでも、一種の「わき見」をさせてハートを働かせてあげなければなりません。「わき見」というのは、想像力の喚起。今週は大いに道草を食っていく時間を楽しんでいきましょう。
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運気グルーヴ
今週のいて座は、「グルーヴに乗っていくことで、遠くまで行く勢いを養っていくような星回り」。
夏の気配が濃厚に漂い始めるのを待っていたかのように、揉めていたバンド名があっさり決まった。その喜びに任せて、まずはバスドラムに書いてしまおう。「夏めくやバンド名バスドラムに書く」(トオイダイスケ)という句では、そんな情景が詠まれています。
畳みかけるように繰り返された「バ」音によって、意味の連なりへの引きを音の押しだしが凌駕する形でグルーヴを作り出していく掲句は、そのまま音楽にかけた架空の若者の青春を凝縮したような一句といえます。
こうしたある種のうねりの感覚というのは運気においても非常に大切であり、「運がいい人」というのは、言ってしまえば「グルーヴのある人」のこと。今週のあなたもまた、もともと持っているグルーヴにうまく乗っていくことで、活路を見出すだけの自信と勢いを作り出していくべし。
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我も世界も流れゆく
今週のやぎ座は、「自分の人生全体を眺め渡していくような星回り」。
唐のはじめに生きた陳子昂(ちんすごう)は、政府の役人であると同時に詩人でもありました。北方の異民族の反乱への対応策を提出したところ、取り上げられるどころかむしろ身分を下げられてしまい、その無念さから『幽州台に登る歌』を詠んだとされています。
ひとりぼっちである自分は、天地の「悠悠」として永遠に微動だにしない姿に、思いを集中させる。そうして絶えず変化する人間である自分を思い、悲しみに打ち砕かれて、涙があふれる。
これはただみずからの不遇や不条理を嘆いているというより、もっと広く、人生全体、人間全体のついての感慨をうたったものであるように感じられます。今週のあなたも、これまで自分がどんな姿勢でこの世界と向き合ってきたのかということが自然と浮き彫りになってくるはずです。
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奇妙な時間の流れ
今週のみずがめ座は、「危険なあそびに誘われていくような星回り」。
視界に煌めくような鮮やかさをもたらす夏という季節は、海にレジャーにひと夏の恋の期待にといつも楽しげな顔をしている一方で、一本わき道に入るとそこには深いメランコリーがかげろうのように揺らめいていて、奇妙な二重性によって構成された固有の時間が流れています。
新しい夏は、いつかあった夏と二重写しで目の前に展開されていくのであり、どこかに必ず深い影が差していて、一歩間違えるとその影にひきずられて帰ってこれなくなることだってあるはず。
けれど、そんな危険を承知の上だからこそ、夏のあそびはおもしろいし、危険だからこそ、他の季節にはない煌めきを放っているのではないでしょうか。
そんな二重写しの世界の中で、普段すっかり忘れていた記憶や光景を思い出していくことになりそうです。
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月と杯
今週のうお座は、「自分の力で変えられることと、どうしたって変えられないこととをジッと見極めていこうとするような星回り」。
天文民俗学者の野尻抱影(のじりほうえい)は、「人間が異常な事件に遭遇した時に、いつも感じるのは、月や星が冷厳なことである」と述べています。
それは無情にも感じられますが、星はこちらに都合よくその顔を変化させたり甘やかしたりしないというだけで、いつも変わらぬ調子で囁きかけてくれているのではないでしょうか。
思い通りにならぬことの中にも受け取り学ぶべき事柄があり、そこにいままで見えていなかった豊かな世界が広がっていることを、星はいつも静かに教えてくれているのだと思います。
今週のあなたもまた、自分が本当に必要としているものを受けとっていくだけの成熟を遂げているのか否か、図らずも浮き彫りになっていく瞬間が訪れるはず。
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