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ポール・マッカートニー「肉食を強制すべきでない!」 英・学校給食メニューの見直しを訴え

2020年06月27日 11:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

ポール・マッカートニーが英国給食システムの改正を求める(画像は『Paul McCartney 2020年1月1日付Instagram「Have the happiest of New Years」』のスクリーンショット)
伝説のロックバンド「ビートルズ」のメンバーだった英歌手ポール・マッカートニー(78)は、ベジタリアン(菜食主義者)として知られている。そんなポールがこのほど自身の娘達と協力し、英国学校給食システムの見直しを強く訴えた。

ベジタリアンとして有名で、週に1度は肉食を控えるよう地球環境保護などを目的として提唱している「Meat Free Monday」の創始者でもあるポール・マッカートニーは、メアリーさん(50)とステラさん(48)の娘2人とともに「ビーガン(菜食主義者のなかでも動物由来の食品を一切食べない人を表す)メニュー」を英国学生達の給食に取り入れるよう求めた。彼らは教育省長官ゲイビン・ウィリアムソン氏に送られる、「National Food Strategy(国家食糧戦略)」の協議過程が書かれた英国の食育システムの見直しを求める同意書にサインしたという。その中でポールはこのように訴えている。

「誰も肉を食べる必要はありません。従って学校給食で、肉の提供を強制的にしなくてもよいのではないでしょうか。今こそ地球や動物を救い、健康的な食育を促すためにも学校給食の規則を見直すべきです。」

現在の給食の献立は、乳製品は毎日提供されるように組み込まれており、その中でも肉類は週3回以上、ベジタリアンのために乳製品を除いたタンパク質を少なくとも週3回、そして脂身の多い魚を少なくとも3週間に1回は取り入れるよう指示されているという。ポールらは、魚、肉類、乳製品を控え、その代わりにより多くのビーガンメニューを取り入れるよう学校給食規則の改定を訴えたのだ。

この考えを改正する活動の引き金となった非営利団体組織「PETA(People for the Ethical Treatment of Animals、動物の倫理的扱いを求める人々の会)」によると、2019年の調査で70%の英国の子供達が「給食にもっとビーガンメニューを取り入れてほしい」と感じているという。これらの調査をもとにしてPETAでは「世界中が気候変動危機と健康問題にさらされているように、ビーガン生活へと対応していくことは地球や動物、健康のために若者ができる最も効果的な方法である」と主張している。

肉食をやめることで動物や環境保護を促進することは理にかなっているが、動物性たんぱく質はビタミンやミネラルなど重要な栄養素を含んでいることも確かであり、人間の健康には欠かせないものだ。俳優ウィル・スミスの息子であるジェイデン・スミスもベジタリアンとして知られるが、ベジタリアンに切り替えるまではビーガン・ダイエットを行っていた。しかし野菜しか摂取しないという偏った食生活から栄養失調に陥ってしまい、それ以降は肉食は控えつつも乳製品は摂取するようにしたという。

このようにビーガンやベジタリアンを推奨するセレブは少なくないが、育ち盛りの学生達が健康的に栄養摂取できるメニュー作りが世界的な課題とも言えるだろう。

画像は『Paul McCartney 2020年1月1日付Instagram「Have the happiest of New Years」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MIE)