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スタバ日本初のサイニングストア、聴覚障がいのあるパートナーが活躍できる場に

2020年06月27日 10:22  Fashionsnap.com

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パートナーのイメージ Image by: スターバックス コーヒー ジャパン
スターバックス コーヒー ジャパンが6月27日の今日、手話を共通言語に採用した国内初のサイニングストア「スターバックス コーヒー nonowa国立店」をオープンした。交通量や来街者が多い地域ではなく国立市に出店したのは、聴覚障害特別支援学校(聾学校)があることに加え、誰にでも住みやすいインクルーシブな街づくりを推進している点を考慮したためだという。

 現在同社では、聴覚に障がいがあるパートナー65人が在籍(3月末時点)。これまで聴覚に障がいのあるパートナーによる活動として、パートナーが自主的に企画・運営する「手話カフェ」や「手話によるコーヒーセミナー」を実施した。活動の中で聴覚に障がいがあるパートナーから自主的に「自分たちが活躍する店をつくりたい」という声が上がっており、2018年からはそうしたパートナーが中心となって店舗運営を数時間行うプログラム「サイニング アクティビティ」を計7回開催。聴者と聴覚に障がいのあるパートナーが共に働き、多様な人々が自分らしく過ごしながら活躍できる場所であり、スターバックスのダイバーシティとインクルージョンを象徴する店舗のひとつとして同店のオープンが実現した。
 nonowa国立店のオープン時は、25人のパートナーのうち、聴覚に障がいのあるパートナー19人が在籍。同店に配属されるパートナーを対象に、手話通訳派遣サービスなどを運営するミライロ社の協力を得てオンラインで手話の講座を実施した。聴覚障がいに関する基礎知識やコミュニケーションの留意点のほか、基本的な手話、商品名、店内で使用する表現などをレクチャーしたという。店内でのオペレーションをより円滑に行うため、スターバックス独自の手話も考案したほか、今回のために開発した文字と振動で情報を伝えるデジタルウォッチを導入。タイマー機能や遠くにいるパートナーを呼び出す機能を搭載している。
(左)筆談用のパネル、(右)メニューシート
 利用者向けには、オーダー時に手話や筆談に対応するほか、指差し注文用にサイズや温冷の選択ができるメニューシートを取り入れる。商品の受け取り場所にはデジタルサイネージを設置し、受け取り番号の表示や日常会話の手話紹介に活用。新型コロナウイルスの感染対策でも独自のオペレーションを採用しており、他店舗ではパートナーは一般的な白いマスクを着用するところ、nonowa国立店では口元の動きが見やすいように透明なフェイスシールドを使用している。また、基本的に同店のパートナーは手話での接客が可能で、胸元に手話対応可能の印となる缶バッチを着用しており、聴覚に障がいがある客が気軽にコミュニケーションを取れるようにした。
 店内には、来店者に手話を紹介するために指文字(American Sign Language)で表したスターバックスサインをデザインし、パートナーのエプロンにも同様の柄をあしらった。同店オリジナルのアート作品も展示しており、手話をモチーフにした作品や手話をする動物を描くアーティストの門秀彦が、聴覚に障がいのあるパートナーとディスカッションしながら制作した「Talkative hands (おしゃべりな手)」を設置。このほか、ダイバーシティを尊重した試みとして、車椅子が入りやすい福祉用のテーブル席を計8席分用意した。同社は今回の店舗について「新店舗で働くパートナーの姿から、聴覚障がいのある学生に将来に向けて勇気や気付きを与えられる店舗を目指す」とコメントしている。
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■スターバックス コーヒー nonowa国立店オープン日:2020年6月27日(土)住所:東京都国立市北1-14-1 nonowa国立営業時間:7:00~22:00 ※6月27日のみ10:00オープン座席数:83席電話番号:042-505-9223
■整理券発行について受付時間6月27日:インターネット 9:00~/店頭 10:00~6月28日以降:インターネット 6:00~/店頭 7:00~整理券発行ページ