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朝ドラ『エール』で“合格”を勝ち取った坪根悠仁に注目! 堂々とした俳優デビューで視聴者を魅了

2020年06月27日 07:41  リアルサウンド

リアルサウンド

『エール』(写真提供=NHK)

 強烈なキャラクターの歌手志望者たちが登場した『エール』(NHK総合)第13週「スター発掘オーディション!」では、切磋琢磨してきた久志(山崎育三郎)と御手洗(古川雄大)の元に、ついに結果発表が記された新聞が届く。新人オーディションに合格したのは、なんと久志でも、御手洗でもなく、寅田熊次郎(坪根悠仁)という青年だった。廿日市(古田新太)は熊次郎の実力にあまり納得していないものの、父が帝都ラジオの会長で甘いマスクの持ち主の熊次郎は、コロンブスレコードの上層部に気に入られたのだ。一方の久志は、廿日市から「研修生としてならコロンブスレコードと契約してもいい」と言い渡される。一度は渋るものの、久志はその条件を飲むことにした。


【写真】久志(山崎育三郎)と御手洗(古川雄大)


 寅田熊次郎というとんでもない大型新人がデビューを勝ち取った『エール』であったが、実は“デビュー”を勝ち取ったのは熊次郎だけではない。熊次郎を演じた坪根悠仁自身もまた、本作が俳優デビューとなる。坪根は2018年の「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で、フォトジェニック賞、明色美顔ボーイ賞をダブル受賞した期待の新人である。1年間芝居のレッスンをつみ、満を辞してのデビューの舞台が『エール』となった。


 熊次郎といえば、伸びやかな歌声と眉目秀麗な若者という点がポイントだろう。坪根本人は、中学生の頃からバンド活動を行い、地元の福岡でも音楽の専門学校で勉強。そんな経験からか、熊次郎に相応しい伸び伸びとした歌声を披露した。さらに、容姿は御手洗にも負けず劣らずの整った顔立ち。こうした点からも、坪根の熊次郎役はまさに適役だったと言えよう。デビュー作とは思えない堂々とした芝居で視聴者を魅了した。


 さらに今回、坪根はドラマ初出演でありながら、古田新太をはじめ窪田正孝、山崎育三郎、古川雄大ら、芸能界の大先輩たちと肩を並べての演技となった。「ねえねえねえ、負け犬がきゃんきゃんと、見苦しいんだよおっさんら」と久志や御手洗に言い放ち、久志には頭突きまでかます。父親の七光りを前面に押し出し、生意気でいけ好かない熊次郎役には、いわば“嫌われ者”に徹する強さも必要だ。デビュー作にしてこうした役を演じられる肝の座ったところこそ、坪根の強みとなるだろう。実際ネット上では、坪根が自身のSNSなどで見せる好青年ぶりと、役柄の横柄な態度へのギャップを賞賛する声も上がっていた。さらに彼の持つルックスにも注目が集まり、ここから大躍進の可能性も秘めている。今後の作品でも活躍するであろう坪根の存在は、常に意識していたい。


 今週をもって『エール』の新エピソードは一時放送休止になる。次週からは『エール』第1話からの再放送となるため、裕一(窪田正孝)や音(二階堂ふみ)の幼少期からの歩みを再度見返すことで、作品への理解もより深まることだろう。


(Nana Numoto)